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血痕は語る の商品レビュー

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2023/02/27

清水潔さんの「殺人犯はそこにいる」からたどり着いた一冊。足利事件でDNA鑑定を行ったのが、本書の著者である。 科学捜査とはどういうものか、かなり専門的な説明も交えて解説されている。 実際にあった事件を紹介しているが、当然足利事件、飯塚事件は登場しない。 それでも、最終章でDNA型...

清水潔さんの「殺人犯はそこにいる」からたどり着いた一冊。足利事件でDNA鑑定を行ったのが、本書の著者である。 科学捜査とはどういうものか、かなり専門的な説明も交えて解説されている。 実際にあった事件を紹介しているが、当然足利事件、飯塚事件は登場しない。 それでも、最終章でDNA型鑑定について説明しており、当時は一般の人が想像しているよりも、DNA型鑑定は万能ではない、ここを履き違えると、いつかとんでもないことが起きると釘を指しているのが印象深い。 全体を通じて、とても仕事熱心で、自分の職務に誇りを持っていることがうかがえる。 また、幼少期から薬剤師の母の職場を度々訪れており、その経験が今の仕事に繋がっているというエピソードは感慨深かった。 著者の指摘するとおり、環境が許す限りもっと親の職場に子供が入り込んでも良いと思う。 その経験が子供の財産となる。 足利事件、飯塚事件のことを知らなければ、とても信頼できる人物だと評価していると思う。 しかし、上記事件の背景には、警察庁からの圧力もあったと思うから、著者の無責任を問うのは酷かもしれない。

Posted byブクログ