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一条さゆりの真実 の商品レビュー

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2010/04/11

著者は否定するだろうけれども、虚言癖持ちストリッパーへの怨念がドロドロと感じられる生臭い本。騙された悔しさがなければ完成しなかった本だろうなと思う。

Posted byブクログ

2010/03/05

こういう本は評価がとても難しい。 が、著者の想いがこれでもかこれでもかと伝わってくる愛のこもった力作であることは間違いない。

Posted byブクログ

2009/10/04

一条さゆりというのは、関西ストリッパー界の女王と呼ばれ、そのショーたるや、あまりの凄絶さに伝説とまで呼ばれたりなんだりしていたらしいです。 あるきっかけから世間で脚光を浴びるようになったがために警察当局から目をつけられて、わいせつ物陳列罪で何度も警察に捕まり、最終的には実刑判決...

一条さゆりというのは、関西ストリッパー界の女王と呼ばれ、そのショーたるや、あまりの凄絶さに伝説とまで呼ばれたりなんだりしていたらしいです。 あるきっかけから世間で脚光を浴びるようになったがために警察当局から目をつけられて、わいせつ物陳列罪で何度も警察に捕まり、最終的には実刑判決を受け服役するに至るわけですが、被害者なき裁判だとかなんとかいろいろ物議をかもして社会現象になってしまった、つまるところ過去の超有名人の落ちぶれ人生をただひたすら書き綴った長編でした。 長かった。本当に長かった・・ しかし、その内容は壮観でした。 全編とおして伝わるのは、とにかく著者の加藤詩子さんの、執念ともいえる一条さゆりへのこだわりでした。 彼女が著者に語った話の全てが都合良くつくりかえられた嘘だったという事実に、晩年、誰よりも側にいて、誰よりも彼女の信頼を得ていたはずの著者は絶望し強い憤りを覚えたと書いています。 しかし、その後、著者は根気よく彼女の嘘を暴き、さらになぜ彼女がひたすらに嘘を突き通したのかについて持論を展開していきます。 取材するにつれ、マスコミで取り上げられてる華々しくも悲しい人生の殆ども一条さゆりの虚言であったと知れ、真実では必ずしも一条さゆりが被害者ではなかったことを知らしめていきました。 彼女の虚言・浪費ぐせ等の犠牲になって不幸になった人々の数の多さを目の当たりにするにつけ、彼女が晩年、釜ヶ崎で社会の底辺ともいえる生活の中で孤独に死んでいったことに対しては、ドライに言えば「自業自得」としか言いようがないものでした。 でも著者はそこで筆をとめなかった。 自業自得で彼女の人生を終わらせなかった。これがすごい。 そこにはたぶん、著者の意地があったんじゃないかと私には感じられました。 一条さゆりを取材し、その結果、160本ものテープに彼女の人生がおさめられた。 その間、彼女らはビジネスを超えた深い信頼関係を結び、まるで親子ともとれるほどに深く交流を重ねていく。 けれど、それが全部嘘だった。何も真実が語られていなかった。 誰よりも側にいて、誰よりも彼女に尽くしながら、彼女の核心に触れていなかった。 そんなこと、ひとりの人間として、ジャーナリストとして、認めることなんかできなかったんじゃないのかと思うのです。 だからどうしても彼女の嘘の中に何があったのか、納得したくてこの本を書いたのだろうと推察できるのです。 すごい人だと思います。加藤詩子さん。 たぶん同じように「裏切られた」と思った人は沢山いたんだろうけれど、その中で一条さゆりという人間を諦めなかった希有な人だったんじゃないかなぁ。 一条さゆりの人生よりも、加藤詩子さんの手腕に感動する。 そんな本でありました。

Posted byブクログ