妖異金瓶梅 の商品レビュー
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潘金蓮が女人大魔王と形容されるがまさにその通りの作品だった。 魅力的なエログロ。女のどろどろした妬み・嫉妬の表現。推理小説として、解説にある通りの一つの逆説に挑んだ点。どこをとっても素晴らしく山田風太郎の傑作の内トップ5に入るのは間違いないと思う。
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『金瓶梅』は言わずと知れた中国四大奇書の一つ。水滸伝の中の武松のエピソードを入り口にして、そこに登場する武松の兄嫁の潘金蓮が、姦通した後殺されずに姦夫の西門慶と暮らし始めるという設定だが、山田風太郎氏がその設定をベースに話をミステリ仕立てに仕上げている。物語は変わっていても登場人...
『金瓶梅』は言わずと知れた中国四大奇書の一つ。水滸伝の中の武松のエピソードを入り口にして、そこに登場する武松の兄嫁の潘金蓮が、姦通した後殺されずに姦夫の西門慶と暮らし始めるという設定だが、山田風太郎氏がその設定をベースに話をミステリ仕立てに仕上げている。物語は変わっていても登場人物は原典にでてくる者をそのまま登場させているらしいので、原典を読んでから本書を読めばさらに楽しめるも知れない。全篇を通じてエロティシズムが漂い、潘金蓮という稀代の淫婦の性(さが)が描かれている。それにしてもこの潘金蓮という女、男にすればなんとも怖ろしい魔性の女でありながら強烈に心を惹かれてしまう魅惑の女である。潘金蓮を目の当たりにし触れてしまったが最後、男はその虜になってしまうだろう。それが間違ったことであり、いけないことだと判っていても、男は否応なしに潘金蓮の蟻地獄に身を落としてしまうのだ。気の小さい私としては潘金蓮のような女に出会うことがないように唯々祈るのみである。しかし、一度だけほんのちょっと会ってみたいと思う危うさが心の中にあるのも事実。五十になっても惑う私であります。
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中国とミステリィが好きな人なら楽しく読めるはず。金蓮さんがすごい魔性の女なのに一途で憎めない。一途過ぎて怖いけど(汗)ラストの応伯爵が泣かせます。
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