シェイクスピアを盗め! の商品レビュー
YA向けブックガイドからだったか。で、先日のBOOKMARKにも取り上げられていたから、このタイミングで。タイトルから想像していたのと、ちょっと違う内容だった。盗むってのを、まんま盗品ってことだと思ってたけど、なるほど盗作ね。時代背景を考えるとさもありなん。ただでさえ無形文化財の...
YA向けブックガイドからだったか。で、先日のBOOKMARKにも取り上げられていたから、このタイミングで。タイトルから想像していたのと、ちょっと違う内容だった。盗むってのを、まんま盗品ってことだと思ってたけど、なるほど盗作ね。時代背景を考えるとさもありなん。ただでさえ無形文化財の著作権は難しいところがあるのに、当時のこととなるとなおさらですわな。それを上手い具合に料理して、スリリングな成長譚に作り上げているのはお見事。
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1600年頃のイギリス・ロンドンが舞台。 孤児のウィッジは、それまで旦那と自分のほぼ二人だけの人間関係の中で育ったせいか、自分で考えることがなく、友情とか善悪に対してもとても鈍感。かと言って、嫌な奴ではなく、そういったことを学ぶ機会がなかっただけなので、基本的には純粋な良い子です...
1600年頃のイギリス・ロンドンが舞台。 孤児のウィッジは、それまで旦那と自分のほぼ二人だけの人間関係の中で育ったせいか、自分で考えることがなく、友情とか善悪に対してもとても鈍感。かと言って、嫌な奴ではなく、そういったことを学ぶ機会がなかっただけなので、基本的には純粋な良い子です。そんな彼が、グローブ座の人々に出会うことで、友情を育み希望を持つことを覚え、成長していく様子に、清々しい気持ちになりました。 青少年向けのお話なので、若干軽めな展開ですが、それでも、シェイクスピア好きとしては、当時の劇場の雰囲気や、芝居が出来上がっていく様子を感じることができて、楽しく読むことができました。
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時は16世紀、エリザベス朝。イギリスはロンドンの都。テムズ河畔に建てられた塩入れのお化けのようなグローブ座では、座付き作者兼俳優のウィリアム・シェイクスピアの新作狂言「ハムレット」が上演されようとしていた。当時は、戯曲が印刷されればどこの一座が演じるのも自由という時代。そのため人...
時は16世紀、エリザベス朝。イギリスはロンドンの都。テムズ河畔に建てられた塩入れのお化けのようなグローブ座では、座付き作者兼俳優のウィリアム・シェイクスピアの新作狂言「ハムレット」が上演されようとしていた。当時は、戯曲が印刷されればどこの一座が演じるのも自由という時代。そのため人気のある芝居は、なかなか出版されず、台本は一座に大事に保管されていた。コピーが商売のタネにもなれば、原作者を脅かす元凶にもなるのは、いつの時代も同じ。エリザベス朝ロンドンでも人気のある芝居は、いつも盗作者に狙われていたのである。 孤児院育ちの主人公ウィッジは、速記術の発明者であるブライト博士に引き取られ、7年間速記術の習得に励んだ後、14歳の春、フォルコナーという男に連れられ新しい主人サイモン・バスの下で働くことになる。その仕事というのが、速記術を使って、「ハムレット」の台本を書き写すことだった。初めは言われたとおり書き写すウィッジだったが、次第に芝居に夢中になり仕事を忘れてしまう。次の芝居の日、一座の者に見つかったウィッジは役者志望と偽り、一座の仲間に入ることになる。同じ年頃の仲間というものを知らなかったウィッジは、ここで初めて友達や大人の温かい心遣いに触れ、自分に課せられた使命との間で板挟みになる。 蓮實重彦は『小説から遠く離れて』の中で、物語の構造を次のように還元してみせる。どこかに一人の男がいて、誰かから何かを「依頼」されることから物語は始まる。男は発見の旅へと出発する、「宝探し」である。当然、妨害者が現れる。貴重な宝は「権力の譲渡」に関わるものであるため、依頼された冒険はなかなか進展しない。そこに予期せぬ協力者(同性なら分身、異性なら妹に似た血縁者)が現れ、倒錯的な関係を物語に導入しながら様々な妨害を乗り越えていく。 この「依頼と代行」「宝探し」「権力の譲渡」「二重性」という主題を律儀に踏襲しながら物語は進められていく。しかし、それが不思議に心地よいのは何故だろうか。構造は「反復」しつつも、そこに微妙な「差異」があるからだ。安定した物語の構造に揺られながら、作者の工夫を味わう楽しみは物語を味わう王道である。16世紀エリザベス朝ロンドンという都市の闇部の持つ魅力が、汚猥と高潔、伽藍と貧民窟、真と偽等の対立を軸にコントラストも鮮やかに描かれるのがそれだ。 映画『恋に落ちたシェイクスピア』が気に入った人なら、あの衣装や舞台を思い出しながら、二倍楽しめること請け合いである。読んでからビデオで見るというのもいいかも知れない。ヤング・アダルト向けだが、大人が読んでも充分におもしろい。物語の構造が安定し、目的に向けて真っ直ぐに進んで行くからである。主人公を別にすれば登場人物の多くは実在の人である。虚実を綯い交ぜにしながらこれだけの冒険潭を破綻なく纏め上げた作者の筆力は並々ならぬ物がある。
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グローブ座に迷い込んだ少年の成長物語。 サロイヤン風のポップなタイトル&表紙がシェイクスピアと食い合わせが悪い気がして、長いこと前を素通りしていた本だったけれど、読んでみたら素直に面白かった。登場人物達がそれぞれ素朴に生きてて。 シェイクスピアはほったらかしなので、S・クーパーの...
グローブ座に迷い込んだ少年の成長物語。 サロイヤン風のポップなタイトル&表紙がシェイクスピアと食い合わせが悪い気がして、長いこと前を素通りしていた本だったけれど、読んでみたら素直に面白かった。登場人物達がそれぞれ素朴に生きてて。 シェイクスピアはほったらかしなので、S・クーパーの『影の王』みたいな謎解きを期待して読むと肩すかしかも。
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エリザベス2世時代のロンドン。みなしごの少年ウィッジはある任務を負ってグローブ座の一員となるが、しだいに一座のなかに自分の居場所を見出していく。同時期に出版されたS.クーパーの『影の王』も少年の眼で見たシェイクスピアの話で、ある意味趣向が似ていると言える…いや、全然似ていないか。...
エリザベス2世時代のロンドン。みなしごの少年ウィッジはある任務を負ってグローブ座の一員となるが、しだいに一座のなかに自分の居場所を見出していく。同時期に出版されたS.クーパーの『影の王』も少年の眼で見たシェイクスピアの話で、ある意味趣向が似ていると言える…いや、全然似ていないか。 このウィッジ、ヨークシャーなまり丸出しの田舎者である。が、このなまり部分の訳文は、読む日本語としてあまりにヘン。違和感がありすぎて、話の内容よりそちらに気を取られてしまった。なまりは訳文になると東北弁で表現されることが多く、これについては以前からちょっと興味を持っていたのだが、なるほど、東北弁だと無難に読めるということがよくわかった。訳者はこの風潮に挑戦したかったのだろうか。しかし。
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エリザベス王朝時代のグローヴ座、シェイクスピアを始めとする劇団員の生活が生き生きと描かれている。以前読んだ『ロンドン』、映画『恋に落ちたシェイクスピア』『エリザベス』と重なり、よけい楽しかった。
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時はエリザベス一世の時代のイギリス。 孤児院から引き取られ、速記を発明した博士に仕込まれた少年ウィッジが、シェイクスピアの戯曲を盗み取ろうとする悪だくみに巻き込まれます。 著作権が確立していない当時、出版される前の戯曲を他の劇場でも舞台にかけることが出来れば、大きな儲けに繋がるの...
時はエリザベス一世の時代のイギリス。 孤児院から引き取られ、速記を発明した博士に仕込まれた少年ウィッジが、シェイクスピアの戯曲を盗み取ろうとする悪だくみに巻き込まれます。 著作権が確立していない当時、出版される前の戯曲を他の劇場でも舞台にかけることが出来れば、大きな儲けに繋がるのでした。 ウィッジを金で買った雇い主に脅されて、仕方なく劇場の周りをうろちょろするうちに、意外な成り行きで役者仲間に加わったウィッジが、しだいに自分の居場所を得ていく… 劇場の裏側が子供の視点で面白く描かれています。 「恋に落ちたシェイクスピア」の子供版みたいな〜 青少年向けでやや軽めですが、続編もあるそうなので楽しみ。
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舞台でお芝居を見てから原作を読みました。笑いあり、涙ありの物語。17世紀のロンドンを舞台に、孤児の少年ウィッジが失敗を繰り返しながら勇気と友情に目覚めてゆくさまが描かれています。
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