熱帯魚 の商品レビュー
さらりと読める長さと文章なのに、どこか悪意が滲んでいるようで、落ち着かない……。
わりと非現実的な設定だったりするのに、それがリアルに感じられるのは、主人公たちに「欠けているもの」が多いからなのか。さらりと読める長さと文章なのに、どこか悪意が滲んでいるようで、落ち着かない……。
zx
3つの作品の中でいちばん面白かったのは「グリンピース」で、明るさと暗さが上手くミックスされていた作品だったと思う。でも吉田さんっていい意味で、自前で世界を全てを作ってなくて、ほかの作品から受けてきた影響に対して、かなりオープンな人のよう気がするなぁ・・・。
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3つの短編が入っています。どの主人公もひどい男たちで共感できないのに、不思議と話に惹かれてしまいました。読み終わった後に何が言いたかったんだろうって考えさせられる作品たちでした。もうしばらく吉田修一さんの本を読んでみようと思います。
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芥川賞候補になった表題作の他、「グリンピース」「突風」の二作を収める。 大工の大輔は、真実とその娘の小麦、それからニ年だけ兄弟になったことのある光男と暮らしていた。光男は働きもせず、一日中家にある熱帯魚の水槽を眺めている。 そんな同居人たちのために、自分はこんなに精一杯やっている...
芥川賞候補になった表題作の他、「グリンピース」「突風」の二作を収める。 大工の大輔は、真実とその娘の小麦、それからニ年だけ兄弟になったことのある光男と暮らしていた。光男は働きもせず、一日中家にある熱帯魚の水槽を眺めている。 そんな同居人たちのために、自分はこんなに精一杯やっている。なのに誰も分かっちゃいない、と苛立だつ大輔。その姿が痛々しい。彼をやさしく受け入れる周囲の人間たちが癒し効果か?(熱帯魚) 個人的には「グリンピース」が好き。千里という恋人がいながら友人の彼女にちょっかいを出す主人公草介。何だ、この男は!と憤慨しつつ、恋人同士って実はみんなこんな感じで続いていくのかな、と思うような作品。
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男の人の書く文章。武骨で不器用で。ちょっとスケベで。荒削りな感じの小編が三つ。すごく面白いわけでも、共感できるわけでもないんだけど。なんか、その辺にいそうな人の、どこかで営まれているであろう日常をきりとった感じで。好きではないけど、嫌いでもない。不思議な読後感だった。
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『熱帯魚』『グリーンピース』『突風』の3つからなる短編集。 登場人物は違うが、一貫して言えるのは主人公が自分勝手でS気味(笑)ということ。でも、なぜか共感してしまうのは自分にも心当たりがあるからなのか。 3作品の中では、最後の『突風』が良かった。特に九十九里の片田舎から突如、新宿...
『熱帯魚』『グリーンピース』『突風』の3つからなる短編集。 登場人物は違うが、一貫して言えるのは主人公が自分勝手でS気味(笑)ということ。でも、なぜか共感してしまうのは自分にも心当たりがあるからなのか。 3作品の中では、最後の『突風』が良かった。特に九十九里の片田舎から突如、新宿の大都会へ疾走(失踪でもある)するフィアットバルケッタは最高にスリリングだった。そして、見事な放置プレイに失笑した(笑)
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みんなが不安定でどうも居心地が悪い。 それが普通といえば普通なんだけど。 「親切にされればされるだけ、身動きできなくなる人だっているの。」
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かの「グリーンピース」が入っているのはこの本だっただろうか。 今読み返すと、また違った印象を受けるかも知れないけど、吉田修一の書いた中では「グリーンピース」が一番好きだと思っていた。
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図書館にて。 最近話題のこの作家だが、くっらーい上になんか薄っぺら。 主人公の孤独がいまいちわからない上に、 好き勝手感がむかつく。 だからなんなんだって感じ。
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2007.12/18-22 吉田修一。少しあぶない感じがする。説明がなくてもなんとなく理解できるのがおもしろい。先生がおとこのひとを好きだとかそういうこと。
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