北朝鮮飢餓ルポ の商品レビュー

安哲(著者),朴東明(著者),李英和(訳者)

むごい。こんな悪環境…

[文庫ＯＦＦ]

むごい。こんな悪環境の中でも、人は生きて行けるのだと妙に感心してしまいます。死にたいと思わないのか?強く逞しい子供達の姿に考えさせられます。

2016/12/24

２００１(底本１９９９)年刊。

　脱北した朝鮮民主主義人民共和国の一市民が、対北反体制的立場の在日朝鮮人の支援を得て、撮影目的で再度北へ入国。そこで撮影された"北"での生活記録のテープを持ち出し、北の実態を海外に暴露した。
　本書はその潜入録と、同人及びその兄弟の生活体験録を叙述する。

　軍事政権の実態の生々しさ、エネルギー不足による農工業生産の壊滅的状況、あるいは、中国国境付近の取引(密輸その他を含む)で生活必需品を北国内へ流入させ、それを行商人？が各地に運び、農産物(穀物が主)と交換していくという生活模様が活写される。

　さて、金日成の死去が１９９４年。リサーチの時点は金正日政権期であるが、その政権移譲期の模様に相当すると見るべきなんだろうな。