トリエステの坂道 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
メロディアスライブラリーがなかったらおそらく出会うことはなかった本。 行ったことのない、イタリアの風景が立ち上がる。 とりあえず放送で紹介されていた部分を先に読んだ。 そのまま図書館に返却しても良かったけど、きちんと全部読んでしまった。 ちょうどそれは最期にひとり残された夫の家族、著者にとっての義弟の話だった。兄たちに比べて出来が良くなかった義弟がようやく結婚し、子どもにも恵まれた。義弟の奥さんはチロルと呼ばれる当たりの出身らしい。最終的にその山の生活を選んだ義弟一家の話は、掲載の順ではなかったけど、最後に読むにはちょうど良かったように思う。明るい山の光景が目に浮かんで、自分もその地に行って見たいような気がしたからだ。一家の行く末にほんわかとした明るい未来を感じられた。 精緻だけど少し暗い話が多い中で、なんだかホッと出来たのだった。
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夫の家族や友人の話を中心にまとめられている。誰もが孤独や挫折、貧しさを抱えていることを感じさせ、また多くの人の死を淡々と語っているのが印象深い。感傷的でない文章に静かな悲しみが広がっていて、胸をつきます。 こうして書くと暗い作品のように思われるかもしれませんが全体を通してあたたか...
夫の家族や友人の話を中心にまとめられている。誰もが孤独や挫折、貧しさを抱えていることを感じさせ、また多くの人の死を淡々と語っているのが印象深い。感傷的でない文章に静かな悲しみが広がっていて、胸をつきます。 こうして書くと暗い作品のように思われるかもしれませんが全体を通してあたたかみがあり、切なさを感じさせる不思議な作品です。
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何度読んでもいい。何と登場してくる人物が身近に感じられることか。すごい展開やびっくりするような事件なんか全く起こりはしなくても、こんなに人はドラマティックな人生を生きているのだと感じさせてくれる。素晴らしい。
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トリエステという場所に憧れていた母が読んでいた物を横から読ませてもらい、ぜいたくな文章とはこういうものかと思いました。
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