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宮沢賢治「銀河鉄道の夜」精読 の商品レビュー

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2013/12/23

「銀河鉄道の夜」を、より深く味わいたいと思っていました。 作品の構成が詳しく書かれていたこの本を見つけ、読み込んでみました。 「ジョバンニの切符」は、どこまでも行ける切符でした。 12日に、こまつ座公演・・「イーハトーボの劇列車」を観てきました。 劇中に、この切符と思われるまさ...

「銀河鉄道の夜」を、より深く味わいたいと思っていました。 作品の構成が詳しく書かれていたこの本を見つけ、読み込んでみました。 「ジョバンニの切符」は、どこまでも行ける切符でした。 12日に、こまつ座公演・・「イーハトーボの劇列車」を観てきました。 劇中に、この切符と思われるまさに切符が、重要な位置づけをされていました。 精読本には、詩集・・『春と修羅』からの引用も多く、 今後は、詩集に浸ってみるつもりです。

Posted byブクログ

2010/01/29

カムパネルラとジョバンニは親友だ。 貧しいジョバンニを、カムパネルラはいつもそばにいてわかってくれる。ある祭りの夜、ジョバンニは不思議な汽車に乗りカムパネルラと旅に出る。その汽車は、線路ではなく星空の中をどこまでも走るのだ。 発掘現場のプリオシン海岸、サギを捕まえてお菓子にする不...

カムパネルラとジョバンニは親友だ。 貧しいジョバンニを、カムパネルラはいつもそばにいてわかってくれる。ある祭りの夜、ジョバンニは不思議な汽車に乗りカムパネルラと旅に出る。その汽車は、線路ではなく星空の中をどこまでも走るのだ。 発掘現場のプリオシン海岸、サギを捕まえてお菓子にする不思議な狩人、沈んだ船の乗員が天上の駅で降り立つ。不思議な旅の中でジョバンニはかけがえのないカムパネルラとの時間を抱きしめるようにかみしめるのだった。 この物語には、不思議な展開のあちこちに心にしみるような台詞が出てくる。沈んだ船のくだりには、水に落ちて亡くなった人を慰める灯台守のこんな言葉がある。「何がしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでも、それがただしいみちを進む中でのできごとなら、峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。」 カムパネルラは実は川に落ちて亡くなったのであるが、ジョバンニはカムパネルラはもうあの銀河のはずれにいるのだとわかっているのであった。  この物語は、宮沢賢治の精神世界のような不思議な展開ばかり続くが、私は物語の面白さよりも、宮沢賢治の生き方がよく表れている点に感銘を受けた。みんなの幸いのためならば、ぼくのからだなんか百ぺん灼いてもかまわないという台詞は宮沢賢治の宗教観がよくあらわれていると思った。

Posted byブクログ