学力低下が国を滅ぼす の商品レビュー
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2001年刊。◆大学生の学力低下に危機感を有する教員らが、低下の実情、要因等を論じるのが本書だ。◇ただし、大学進学率が高校卒業者の5割弱に達している現状、大半の私立文系学部で数学を入試科目としない点、東大や京大を除き、科目数・範囲を絞っていることを看過している。顕著な少子化を考慮すれば、定員を減らし、入試も五教科八科目くらいを課せば、随分変わるはずのように思う。◇もとより、彼らが批判するゆとり教育を善だという気は全くない。しかし、受験料をかき集めるが如き入試システム。単一試験で多数の学部学科の出願が可能。 そして、そのすべてに受験料を徴取していく手法は品がなさすぎである。その上、大学側は定員充足こそを優先しているとしか思えない入試体系。著者の言う問題は、そもそもかかる大学側の姿勢に依るのであって、批判がブーメランの如く自らに跳ね返ってくることも考え合わせるべきだろう。
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