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椿山 の商品レビュー

4.2

14件のお客様レビュー

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2011/09/01

最後の最後に大切にすべきものを。 ゆすらうめ、白い月、花の顔、椿山という並び順も秀逸。 文そのものは勿論ですが、それぞれタイトルも美しい。 どうしてここまで女性の心の機微を 描き込めるのだろうといつも脱帽してしまいます。 私は剣に疎いので、かえってこのような 細やかな心の移ろいを...

最後の最後に大切にすべきものを。 ゆすらうめ、白い月、花の顔、椿山という並び順も秀逸。 文そのものは勿論ですが、それぞれタイトルも美しい。 どうしてここまで女性の心の機微を 描き込めるのだろうといつも脱帽してしまいます。 私は剣に疎いので、かえってこのような 細やかな心の移ろいを巧みに表現する作者のスタイル が大好きです。 もっとより多くの女性に読んでほしい作家。

Posted byブクログ

2011/08/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

椿山、 ほぼ最後まで、主人公・才次郎は、賂等をし、 上の役職上の役職を目指す。 それには、約束されたはずだった塾の子女との婚約がうまくいかなかったこともあったのだろう。 その子女が、才次郎の親友と結婚するとなれば 尚更だ。 しかし、才次郎が最後に守ろうとしたのは・・・。 やはりこの小説も乙川さんのラストシーンの描き方は、僕は大好きだ。

Posted byブクログ

2010/11/05

僕のイチバンお気に入りの乙川さんの作品。 文庫になるのを待とうと思って単行本を買わなかったけど、すっかり買い忘れてたみたいで、ようやく今ごろ読みました。 この本、4篇の作品が集まった作品集になてます。僕がいちばん良かったのは『花の顔(かんばせ)』という作品。内容を簡単にいえば「嫁...

僕のイチバンお気に入りの乙川さんの作品。 文庫になるのを待とうと思って単行本を買わなかったけど、すっかり買い忘れてたみたいで、ようやく今ごろ読みました。 この本、4篇の作品が集まった作品集になてます。僕がいちばん良かったのは『花の顔(かんばせ)』という作品。内容を簡単にいえば「嫁と姑の確執」といったところです。でもそれが乙川さんの手にかかれば様々な要素が加味され、単なる嫁姑戦争では終わりません。そこに描き出されているのは夫の留守中に痴呆の始まった姑と、それまでの勝気な姑とのギャップに恐怖すら覚える嫁との交流です。 現代社会にも通用するこの問題。最後の場面、決死の覚悟を固めていよいよ心中をしようと寝入る姑の部屋に入った嫁が見たのは、悄然と縁側に座る姑の姿。降りしきる雪を、何の感慨もなく眺め続ける姑の後姿を見たとき、嫁の心にようやく義母を労わる心が芽生えるのだ。自分が羽織っていた綿入れを、そっと義母の肩にかける嫁に、もう嫁の名前すらわからなくなった姑が呟く。「ご親切にどうも・・・」このひと言でこれまで積もったすべての恨み辛みが氷解する。 武士小説とも市井小説とも異なった、独特の雰囲気が大好き! ぜひ乙川ワールドに浸ってください。 2001年11月/文芸春秋/文春文庫

Posted byブクログ

2009/10/04

この短編集の最後にある表題作、「椿山」のラストに涙して、何冊知り合いにプレゼントしたことか・・・。 私が「乙川優三郎」ファンになったきっかけの1冊は、『生きる』では無く、この一冊です。

Posted byブクログ