ヴィドック の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ゴシックミステリというジャンルが初めてだったので面食らった感じ。 「錬金術師なのだ」というあたりで「(錬金術師?そういうトリックを使っているんだな)」と考えてしまった結果ラスト近くで「(へ?本当に錬金術師?)」となってしまった。結局最後まで飲み込めず。 時代が隔たった今から言うのはあまりに愚かなことだが、気になった点で覚えているものをいくつか。まずはシルクハットが焦げずにいたこと。櫛を帽子に仕込んだならシルクハットも焦げるのでは?ここにトリックがあるのではとずっと考えていた。次に犯行。自分の読解力不足もあるだろうが、エチエンヌが通った後に人が殺されていくあたりのネタバラシが微妙だった。内容的に仕方のないことではあるが、エチエンヌが読者のために動いてくれている感じが否めない。無駄な手をいくつかやっている感じがする。 錬金術師との戦いが入ったことで、ミステリを読んでいるつもりがいつの間にかラノベになってる!という感触があったのは確か。現代的な価値観ではそう。これが書かれたときにはまだ人々の間にファンタジー思想がまことしやかに広まっていたのだろう、と予想。もう少し「ゴシックミステリ」についての説明を入れないと現代の新規読者には難しいかも。
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ジャン=クリストフ・グランジェ(Jean-Christophe Grangé)作。原題はVidocq、江崎リエ訳。 犯罪者からパリ警察の密偵となった実在の人物フランソワ・ヴィドックを主人公にしたミステリ。
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映画小説版。 “推理物”として見るには、文庫版の方が面白い。 死んだヴィドックの小説を書いているエチエンヌがヴィドックの死の真相に迫るために彼が追っていた事件の関係者の元を訪ね、取材するという形式。 読み物としても、読みやすい。エンディングの描写は小説版の方が好みだ。
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