キヤノン高収益復活の秘密 の商品レビュー
<本の紹介> 多くの優良企業が業績不振に苦しむ中、時代を劃す新製品を次々と送り出し成長を続けるキヤノン。和魂洋才を標榜し、実力主義に徹した特異な経営の革新に迫り、世界的不況に勝つ競争力の源を明らかにする。 子会社も含めキヤノンに勤めてる知り合いは何人もいたり、御手洗さんが中大出...
<本の紹介> 多くの優良企業が業績不振に苦しむ中、時代を劃す新製品を次々と送り出し成長を続けるキヤノン。和魂洋才を標榜し、実力主義に徹した特異な経営の革新に迫り、世界的不況に勝つ競争力の源を明らかにする。 子会社も含めキヤノンに勤めてる知り合いは何人もいたり、御手洗さんが中大出身ってこともあって(結局ダメ元講演依頼には一度も応えてくれなかったけど)、親近感のある会社、キヤノン。 個人的には、キヤノンって名前から真っ先に連想するのは「終身雇用制」って言葉でした。後は、仲間から聞いた話とか。 そんなキヤノンの本てことで、興味もあったし読んでみた。 で、読み進めてみて感じたこと。 「俺多分、もっとこういう本読んだ方がいい」って思いました。 モノ作り大国・日本(今は昔かもだけど)で製造業を仕事とすることは、当然地球一の技術に挑むことになる。 映画「トランスフォーマー」でも「絶対あれ(トランスフォーマー)は日本製だ」なんてセリフが出てきたり、レアルのカンナバーロはデジタル機器フリークで秋葉原大好きだとか、中国や韓国が台頭してきてるのもずっと日本の技術を目標にしてきて、今でも日本製品には一目置いてるって話にも象徴される通り、普通に日本の技術って世界で評価されてると思う。サッカーの技術はまだまだかもしれないすけど。^^; そんな世界の最前線で闘ってる業界で磨きに磨き上げた仕事の仕方から学ぶことって大いにあった。 現場の人数をいかに減らすか、組織をどう編成して、どう教育させて、いかに早く戦力化させるのか。責任範囲と自由にやらせる範囲と、裁量をどこまで持たせるべきなのか。現場の人間として果たすべき責任、上司が果たすべき役割や、持つべきマインドはどういったものなのか。 以下、メモ。 ・3自の精神。 【自発】とは、何事に対してもアグレッシブに挑戦していくことです。上司に命令されなければ何もできないといった姿勢は、自発の精神とは程遠いと言わざるを得ません。 【自治】とは自分を厳しく管理することです。決められたこと、守るべきこと、やらなければいけないことを他人に言われる前に自らチェックし、行動にあたってはルールを守って進めます。 【自覚】とは、自分の置かれている立場や役割、状況をわきまえることです。折に触れ『上司や周囲の人は、自分にいったい何を期待しているのか』と自問自答し、自分の仕事の進め方や行動を反省し、さらなる向上を目指して自ら軌道修正できる姿勢が大切です。 ・上に行くほど私的な生活はなくなる。嫌ならおりろ、と言いたい。全体をよくすることに意義を感じるのが管理職だ。 ・自分たちの付加価値の部分を外部に渡してしまったら、空洞化が生じてしまう。 すごく勉強になりました。自分の職場でも活かせると思う考え方が多々あって、「これいただき」って何度も思いました。 今後、どんどん活用していきたいと思います。 時には仕事から離れることが、仕事を効率的にすることになるもんだなと。 仕事よりも熱中して読んでた言い訳をしてみたりして。笑
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三次元CADとくれば「部門間のコミュニケーション」と見出しがついている。それだけでキヤノンは一流だと思った。「玉川事業所内にDRルームという専門の部屋を設け、大型スクリーンで三次元CADの画面を表示する。テレビ会議システムで福島県やタイの生産拠点ともつないでいる」(p.115)...
三次元CADとくれば「部門間のコミュニケーション」と見出しがついている。それだけでキヤノンは一流だと思った。「玉川事業所内にDRルームという専門の部屋を設け、大型スクリーンで三次元CADの画面を表示する。テレビ会議システムで福島県やタイの生産拠点ともつないでいる」(p.115)「営業や事業企画などの担当もどんどん意見を言えるようになった」(p.115)とある。 ほらやっぱり三次元CADは「設計部門以外の人とのコミュニケーションで威力を発揮する」(p.114)なんだ。設計者の道具じゃあないんだよね。 重要なのは組織横断のコミュニケーションなのだ。 三次元CADで「開発部門の生産性は上がったのか?」なんて寝ぼけたことを聞くやつも聞くやつだし、「上がりました」なんて答えているやつも答えているやつだ。まったくわかっていない。そもそも三次元CADの導入を「開発部門のIT投資だ」なんて考えるバカがいるんだよなあ。開発の長と営業の長と生産の長と経理屋の長あたりが「役員会」で、開発の長の三次元CADの投資提案を審議しているなんて(ことがもしもあればそれは)地獄絵だな。どこまでタテに割れていりゃあ気が済むんだ。どうしてそうなんだ。 職種、畑、文系理系の壁、小さい小さい組織単位での予算、本社は業務と無縁な投資… そんな構造が普通ですからね。やはりキヤノンは一流だ。
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バブル崩壊後、日本の企業は再生への道を模索していた。多くの企業が道しるべを失い、何をたよりに先に進んでいけばよいのかわからない。アメリカ企業をモデルとするのか、ヨーロッパなのか。はたまた独自の日本路線を標榜とするのか、探索は続く。
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