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蒲田戦記 の商品レビュー

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2011/08/07

桃源社の佐佐木吉之助による回想録。この人については、慶応出身の医師だったということぐらいしか知らなかったが、なかなか経歴も興味深い。32歳の時、神谷町に開業し、35歳で二軒目のクリニック。患者に不動産関係の人が多く、不動産売買をはじめ、39歳で桃源社を設立。以後はペンシルビルを次...

桃源社の佐佐木吉之助による回想録。この人については、慶応出身の医師だったということぐらいしか知らなかったが、なかなか経歴も興味深い。32歳の時、神谷町に開業し、35歳で二軒目のクリニック。患者に不動産関係の人が多く、不動産売買をはじめ、39歳で桃源社を設立。以後はペンシルビルを次々と建て、テナントをつけ、、、ということを繰り返していったようだ。本書の大半は蒲田駅前の国鉄跡地を巡る、桃源社VS興銀(共に今はないのがなんとも。。。)の死闘を、当事者の一方が語る形式になっており、どこまで正しいのかやや疑問を感じる点もあるが、書き手の熱が伝わってくる内容。橋本龍太郎の悪口や、末野興産とウチは違うんだ!という主張など、そんなこともあったかなぁと思いながら読んだ。■人間の欲は、拡大再生産である。見果てぬ夢を見ることである。この資本主義の基本原理と人間の業である欲が融合するところは、限界のない夢の果ての世界である。これが時運というものに相乗りあうれば、そして集団的ファナティックに包まれれば、何世紀に一回の大きな泡沫となって破断界までふくれ上がっていく■こうしたエリートたちは……自己責任でハイリスク、ハイリターンの暮らしをし、ときにハメをはずしたりする人びとが我慢ならない

Posted byブクログ

2009/10/04

バブルに踊り、踊らされた当事者による実録ノンフィクション。 失われた10年と言われて久しいが、政府や銀行側の言い分ではなく、不動産業を営んでいるバブル紳士当事者による回想録である。 このような本を読むのはは初めてで、自分のバブルへの見方が一面的なものであることに気が付かされ...

バブルに踊り、踊らされた当事者による実録ノンフィクション。 失われた10年と言われて久しいが、政府や銀行側の言い分ではなく、不動産業を営んでいるバブル紳士当事者による回想録である。 このような本を読むのはは初めてで、自分のバブルへの見方が一面的なものであることに気が付かされる。 その意味で新鮮な読後感を得る本である。 何より全ての登場人物が実名で書かれ、詳細にわたって事実を描写している書き口には圧倒される。 バブルの全ての責任を政府の失政と断定する筆者の立場に対し、若干疑問を抱くが、そのバイアスを差し引いても、 日本を狂乱の渦に巻き込んだバブルという10数年前の出来事をこの本ほど、雄弁に伝えてくれる書はないであろう。

Posted byブクログ