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ペトロス伯父と「ゴールドバッハの予想」 の商品レビュー

3.9

10件のお客様レビュー

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2023/12/22

数学の未解決問題の一つゴールドバッハ予想に取り組むことでほぼ人生のすべてを費やした伯父の話。 主人公は親戚から疎まれているぺトロス伯父が実は著名な大学の前教授で今も尊敬されていることをしり、伯父が本当はどういう人なのかを知りたくなり、自身も数学の魅力にとりつかれながら、伯父の人生...

数学の未解決問題の一つゴールドバッハ予想に取り組むことでほぼ人生のすべてを費やした伯父の話。 主人公は親戚から疎まれているぺトロス伯父が実は著名な大学の前教授で今も尊敬されていることをしり、伯父が本当はどういう人なのかを知りたくなり、自身も数学の魅力にとりつかれながら、伯父の人生について伯父に聞くという体裁の本。  数学の証明はその問題が長年の未解決問題なればこそ、難問中の難問である。それをとくには直観と推論とさまざまな思考実験を経て突然啓示のようにひらめくものかもしれない。あるいはひらめかないまま一生をおえるかもしれない。  この本は難問にとりつかれた数学者の半生を扱った小説だが、数学者の苦悩と喜びを一般の読者にもわかるように教えてくれる。こういう本は本当に数学を勉強した人でないと書けないような気がした。

Posted byブクログ

2021/08/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

多分ポアンカレ予想の本を読んでこの本に辿り着いたんだったと思う。だから数学の本だと思ってたけど、数式はほとんど出てこなかった。少し出てきても、それが理解出来ないと物語についていけないほどのものではない。 誰もが読む前から分かってると思うけど、ゴールドバッハの予想の証明に失敗する話。天才が挫折する様は見ててほんとにつらいし、読み終わったらほんとに虚無になる。この本を書いた人は、天才以外は数学をやるべきではないと本気で考えてるんだと思う。実際、読んで二度と数学に手を出したいとは思わないからその試みは成功している。なんなら数学じゃなくて、読み終わった直後は全ての勉強のやる気を失った。いつ戻ってくるかなあ……。 この天才ですら認められずに終わるってつらいけど、「アインシュタインとかレベルに名を残さないと意味がない」「優れた数学者になりたいのではなく、偉大な数学者でなければ意味が無い」って二者択一の気持ちは物凄く分かる。 だからといって、始終陰鬱な雰囲気というわけでは全くなくて、むしろずっと笑ってた。だから物凄く面白い本ではあった。けど、ほんとにこんな読後感は味わったことがない。鬱エンドでもないはずなのにこんなに気分が沈む。全ての人間からやる気を奪い取る本のような気がするので、誰にも勧めたくない……。

Posted byブクログ

2021/03/24

数学科出身です。数学を扱ったフィクション作品の中で最も良い出来であると思います。 数学に詳しくなくてもすらすらと読むことができるので、おすすめです。

Posted byブクログ

2016/07/03

伯父の数学者ペトロスが、天才と呼ばれ、”2より大きいすべての偶数は、二つの素数の和で表すことができる”という「ゴールドバッハ予想」の証明に野心を燃やした人生を甥の私が解いていく小説。 とてもおもしろかった。 著者は、オーストラリア生まれ。アテネ育ちのギリシャ人。

Posted byブクログ

2015/12/23

主人公が、「ゴールドバッハの予想」に人生をささげた数学者のペトロス伯父の人生を描くストーリー 難問に挑む数学者が、苦闘し続け、困難にぶち当たり、一人になり、チェスをはじめて少し取り戻したものの、難問を解く際に発見し温めていた理論を疑心暗鬼から発表のタイミングを誤り、ゲーデルの不...

主人公が、「ゴールドバッハの予想」に人生をささげた数学者のペトロス伯父の人生を描くストーリー 難問に挑む数学者が、苦闘し続け、困難にぶち当たり、一人になり、チェスをはじめて少し取り戻したものの、難問を解く際に発見し温めていた理論を疑心暗鬼から発表のタイミングを誤り、ゲーデルの不完全性定理の発表で解けないもんだないのでは?、チューリングにより解けない問題があるかどうかを事前に確認することが不可能という発表と立て続けに、奈落の底に突き落とされ、一線を退く。 主人公によって、再び、問題に挑戦するも、不遇の死を遂げる。 フェイルマーの最終定理を解いたワイルズやポアンカレ予想を説いたペレルマンなど、ごく少数の超天才数学者であり成功者の裏に、その栄誉に浴することができなかった多数の不遇な数学者がいるということのある一面を見た思いになる。

Posted byブクログ

2015/08/04

たまたま図書館の小説コーナーで見かけたので手に取る.「ゴールドバッハの予想」がタイトルについている小説とは. 内容については,まあまあ面白いくらい.数学が好きな人ならば素数やリーマン予想についてのノンフィクションを読んだほうが絶対に迫力を感じると思う.敢えて作り上げられた演劇的...

たまたま図書館の小説コーナーで見かけたので手に取る.「ゴールドバッハの予想」がタイトルについている小説とは. 内容については,まあまあ面白いくらい.数学が好きな人ならば素数やリーマン予想についてのノンフィクションを読んだほうが絶対に迫力を感じると思う.敢えて作り上げられた演劇的なキャラを見る必要はない. とはいえ,数学に疎遠な一般の読者を取り込めたとしたら,この本はその役割を果たしたといえるだろう.

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2014/10/29

数学の難問中の難問に挑むある天才数学者の物語。 架空の人物なんだけど、まるで実在したような描き方!実際にいる数学者の名前はバンバン出てくるし、この本のテーマになっている難問「ゴールドバッハの予想」も現在もいまだに解明されていない難問。 とにかく、ちょっと頭がおかしい天才数学者が...

数学の難問中の難問に挑むある天才数学者の物語。 架空の人物なんだけど、まるで実在したような描き方!実際にいる数学者の名前はバンバン出てくるし、この本のテーマになっている難問「ゴールドバッハの予想」も現在もいまだに解明されていない難問。 とにかく、ちょっと頭がおかしい天才数学者がカッコイイのなんの!数学の知識がなくても全然楽しめた♪

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2012/09/13

先日、たまたま再放送で、NHKの『リーマン予想・天才たちの150年の闘い ~素数の魔力に囚われた人々~ 』という番組を見たけど、数学者になることの苦悩ったらすごい。 この本は、未だ解決していない『ゴールドバッハの予想』にとりつかれた数学者の伯父さんのお話です。 実在の数学者たち、...

先日、たまたま再放送で、NHKの『リーマン予想・天才たちの150年の闘い ~素数の魔力に囚われた人々~ 』という番組を見たけど、数学者になることの苦悩ったらすごい。 この本は、未だ解決していない『ゴールドバッハの予想』にとりつかれた数学者の伯父さんのお話です。 実在の数学者たち、ハーディとリトルウッドや、ゲーデル、チューリングなんかも登場します。

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2012/03/31

ちょっと前に読了。 去年の末から数学ものを読んでいたのでその流れで手に取った小説。 にしても、ペトロス伯父さん、とんでなくエキセントリックな人だー。 数学にかける情熱は半端ない。 読んでいてこの人の正気を疑ったほどだ、正直なところ。それはおそらく、わたしが凡人(以下だろうな…...

ちょっと前に読了。 去年の末から数学ものを読んでいたのでその流れで手に取った小説。 にしても、ペトロス伯父さん、とんでなくエキセントリックな人だー。 数学にかける情熱は半端ない。 読んでいてこの人の正気を疑ったほどだ、正直なところ。それはおそらく、わたしが凡人(以下だろうな……)だからだと思うけど。 天才の考えることははかりしれない。

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2009/10/04

とてもおもしろかった。 数学者の世界を題材に扱っていますが、前提知識は必要なく、文学小説として気軽に読めると思います。 ペトロス叔父は、かつて神から天賦の才を授かった数学者だった。そんな叔父が今では一族から嫌われ、世捨て人のような生活を送っている。叔父に唯一親近感をもっていた...

とてもおもしろかった。 数学者の世界を題材に扱っていますが、前提知識は必要なく、文学小説として気軽に読めると思います。 ペトロス叔父は、かつて神から天賦の才を授かった数学者だった。そんな叔父が今では一族から嫌われ、世捨て人のような生活を送っている。叔父に唯一親近感をもっていた主人公は自身も数学者になることを志し、次第に数学者であった叔父の過去を知っていく。 数学の命題は一度証明されれば、その美しい事実は不滅のものとなる。 そんな美しさに魅せられた叔父は、夢中になるあまり、人が小さく弱い存在である事を忘れてしまったのかもしれない。

Posted byブクログ