リスク(上) の商品レビュー
未来を現在の統制下におくためにどのようにすべきか?という点に主眼を置き書かれた作品。将来に対する判断について、計量的手法と数字に裏づけされている過去のパターンに依存するという考え方と、不確実な将来に関するより主観的な信念の程度に基づくという考え方が抗するストーリー仕立てとなってい...
未来を現在の統制下におくためにどのようにすべきか?という点に主眼を置き書かれた作品。将来に対する判断について、計量的手法と数字に裏づけされている過去のパターンに依存するという考え方と、不確実な将来に関するより主観的な信念の程度に基づくという考え方が抗するストーリー仕立てとなっている。この上巻は18世紀までの確率・統計システムの発展について描かれている。数字システムは500年頃までにインドで確立されれ、1200年頃までには今のヒンズー・アラビア数字システムがヨーロッパに普及された。ただ、本格的に確率・統計が発展したのは宗教改革後(元来、未来は神のみぞ知るという考え)及び活版印刷普及後(手記ではごまかしが利いた)。元々は、賭博、様々な保険に対する考え方が動機となっており、専門的な内容をすっ飛ばしても興味深く読むことができます。当たり前のことかもしれませんが、リスクには、時間、計測、人々の主観が関与していること非常に興味深いです。
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リスクというか、数学、というか確率についての記載が多い。数学ファンじゃない私には萌えポイントがよくわからない。
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単行本読了、文庫本で再読。 我々がサイコロに賭けるが如く、神は我々を賭けの対象とする。では我々を支配する公理とは?リスクに挑む人類の物語。 リスクの概念はギリシャやローマ時代に生まれたと思っていたが、たかだか200~300年の歴史しかないことに驚かされる。 ベルヌーイがリス...
単行本読了、文庫本で再読。 我々がサイコロに賭けるが如く、神は我々を賭けの対象とする。では我々を支配する公理とは?リスクに挑む人類の物語。 リスクの概念はギリシャやローマ時代に生まれたと思っていたが、たかだか200~300年の歴史しかないことに驚かされる。 ベルヌーイがリスク測定の礎を築き、ダーウィンの従兄であるゴールトンが統計学を確立させる。複数の秀才や天才たちが同時多発的に発生し、短期間で飛躍的に発展させるさまはどの分野にも共通するところで面白い。 上巻はリスクという概念を発見するまでの歴史が記されており、大数の法則と正規分布発見までが描かれている。
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日々の生活に通じるリスクマネジメントの実践的な指南書と思っていたが、 全く違っていた。 人々は、古代からリスクについてどう捉えていったかの歴史書だった。 確率論から入り、数学的なことがたくさん出てくる。 そういったことに興味がある方は、知的好奇心が刺激されると思う。
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リスク概念についての発生論から啓蒙主義を経て確率・統計によりリスク・マネージメントに対する手法発見などの歴史を詳述しています。対数の法則とか正規分布などはもとより確率論って意外と新しい概念なんですね。原題である「Against the Gods」の通り、やはり神による運命論から呪...
リスク概念についての発生論から啓蒙主義を経て確率・統計によりリスク・マネージメントに対する手法発見などの歴史を詳述しています。対数の法則とか正規分布などはもとより確率論って意外と新しい概念なんですね。原題である「Against the Gods」の通り、やはり神による運命論から呪縛はいかに強大だったかが窺い知れます。 残念なのは上下の区切りが中途半端な点。文庫本化に際して上下巻を頁数的に均一にしようとしたのでしょうが、どうせ上巻の方が売上大きいのだろうし、ちょっとは値段高くしてもいいから、「1700-1900年 限りなき計測」をきっちり上巻に収めて欲しかったです。
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「偶然」についての様々な局面を、社会が抱える問題とあわせて論じたものでは、P・バーンスタインの『リスク』が最も面白いと申しましょうか、この一冊といった感じでございます。「人類は常にギャンブルに夢中になってきた。ギャンブルこそが与えられた運命から脱する機会を与えてくれる・・・と信じ...
「偶然」についての様々な局面を、社会が抱える問題とあわせて論じたものでは、P・バーンスタインの『リスク』が最も面白いと申しましょうか、この一冊といった感じでございます。「人類は常にギャンブルに夢中になってきた。ギャンブルこそが与えられた運命から脱する機会を与えてくれる・・・と信じているからだ。」と述べ、株への投資も、トランプ遊びも、ギャンブルも、同じく「見えない未来」への賭けであると論じています。
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2008年08月07日 17:18 記載: なかなか重かった。 一賭博師からノーベル賞学者まで、リスクに闘いを挑んだ歴史上の天才・異才たちのドラマ。 (裏表紙レビューより) ルネッサンスの勝負師カルダーノ、幾何学者パスカル、弁護士フェルマー、秘密主義のガウスと能弁の...
2008年08月07日 17:18 記載: なかなか重かった。 一賭博師からノーベル賞学者まで、リスクに闘いを挑んだ歴史上の天才・異才たちのドラマ。 (裏表紙レビューより) ルネッサンスの勝負師カルダーノ、幾何学者パスカル、弁護士フェルマー、秘密主義のガウスと能弁のケトレー、ベルヌーイ、フォン・ノイマンとモルゲンシュテルン、ケネス・アロー、ハリー・マーコビッツ、エトセトラエトセトラ・・・ かつて人類は常に合理的と見なされ、人間の行動を自然と同じように、またはそれ以上に予測可能であるとして、物事を単純化する。この見解によって経済や社会の現象を説明するのに自然科学の擁護が導入されるようになった。 しかし転機はナイトやケインズによってもたらされた。 じっくり読めばそれなりに面白い本。ただ、経済学や統計学の素養があればあるほど深く読み込める本であると思われる。
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私のブログへ http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=3561724
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出版社/著者からの内容紹介 人類は神々に逆らってリスクの謎に挑み、やがて科学やビジネスのあり方を一変させた! 賭博師からノーベル賞学者まで、歴史上の天才・異才たちが繰り広げるリスク探求の物語を壮大なスケールで描いたベストセラー。 内容(「BOOK」データベースより) 人類は神々に...
出版社/著者からの内容紹介 人類は神々に逆らってリスクの謎に挑み、やがて科学やビジネスのあり方を一変させた! 賭博師からノーベル賞学者まで、歴史上の天才・異才たちが繰り広げるリスク探求の物語を壮大なスケールで描いたベストセラー。 内容(「BOOK」データベースより) 人類は神々に逆らってリスクの謎に挑み、やがて科学やビジネスのあり方を一変させてきた…。一賭博師からノーベル賞学者まで、リスクに闘いを挑んだ歴史上の天才・異才たちの驚くべきドラマを壮大なスケールで再現した全米ベストセラー、待望の文庫化。 内容(「MARC」データベースより) 古代ギリシャの人々の思考様式、パチョーリ・パスカルらのパズル解明、ルネッサンス・宗教改革による思考の自由化、保険の仕組みの考案など、「リスク」の謎に挑み、未来を変えようとした天才たちのドラマを紹介。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) バーンスタイン,ピーター 1940年ハーバード大学卒業。在学中、レオンチェフなどの教えを受け、ハイルブローナーと最優等を競う。ニューヨーク連銀、ニューヨーク共同銀行などを経て投資顧問会社バーンスタイン・マコーレーに勤務、65年同社代表。73年ピーター・L・バーンスタイン社を起こし、コンサルティング活動を続ける。世界各地で講演経験を持ち、著作も多数ある 青山 護 1975年横浜国立大学経営学部卒業、82年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。横浜国立大学教授。99年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 目次 一二〇〇年以前 始まり(ギリシャの風とサイコロの役割 1、2、3と同じくらい簡単) 一二〇〇~一七〇〇年 数々の注目すべき事実(ルネッサンスの賭博師 フレンチ・コネクション 驚くべき人物の驚くべき考え) 一七〇〇~一九〇〇年 限りなき計測(人間の本質についての考察 事実上の確実性を求めて 非合理の超法則 ほか)
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数学の歴史についてそれぞれの数学者のエピソードを交えた読み物。 それぞれの業績、人柄、人生観が伺えて面白かった。確率学、統計学の成り立ちが分かる本
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