ドクター・サーブ の商品レビュー
米原万理『打ちのめされるようなすごい本』で知った一冊。著者はあとがきで「結局、中村さんを突き動かしているものは、何なの」かを知ることはできなかったと書いている。「中村はそれを語らず、周囲の証言に核心なく、わけても私の眼力が、足りなかった」。 確かに様々なエピソードを丹念に追って...
米原万理『打ちのめされるようなすごい本』で知った一冊。著者はあとがきで「結局、中村さんを突き動かしているものは、何なの」かを知ることはできなかったと書いている。「中村はそれを語らず、周囲の証言に核心なく、わけても私の眼力が、足りなかった」。 確かに様々なエピソードを丹念に追ってはいるものの、最終的にそれらが収束しないという感は残る。しかしだからと言って本書がつまらないという訳ではない。例えば、中村とその初期の派遣団体JOCSやペシャワール・ミッション病院院長との関係、現地で長年苦楽を共にしたシャワリ医師との確執、ペシャワール会の財政状況などは、これまで読んだ中村本人の著書にはないものだった。 本書から何を受け取るかは、結局読み手の問題なのだろう。著者はあとがきで「もちろん、だれもが中村のようには生きられない」「だがしかし、中村のような人間の存在を知ることで」「自らの足下を見つめ直すことは出来る」とも記す。まずはこんな日本人がいたことを知る。そしてこんな生活をしている人たちがいることを知る。それが重要なのだと思う。
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30年に亘ってパキスタン、アフガニスタンで医療行為を続ける医師 中村哲を、山岳ジャーナリスト丸山直樹が描く一冊。2001年初版当時、中村の現地滞在診療は15年を越えたところだが、すでに現地も日本もひっちゃかめっちゃか。その後、度重なる戦争とテロの下、艱難辛苦の診察・治療が現在まで...
30年に亘ってパキスタン、アフガニスタンで医療行為を続ける医師 中村哲を、山岳ジャーナリスト丸山直樹が描く一冊。2001年初版当時、中村の現地滞在診療は15年を越えたところだが、すでに現地も日本もひっちゃかめっちゃか。その後、度重なる戦争とテロの下、艱難辛苦の診察・治療が現在まで続くばかりか、灌漑事業(『医者、用水路を拓く』)、農業事業へと発展するとは、とてもではないが想像もできない。 確か、米原万里が絶賛していたので積ん読リストに積んだと思うのだが、言うほど面白くはなかった。中村哲が想像を絶っし過ぎていて、著者の筆がまったく追いついていないのだ。
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外部のライターによる、中村医師とペシャワール会を支える人々の肖像。事業の成り立ちや変遷は、むしろ人間を通して描かれるとわかりやすい。
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