草之丞の話 の商品レビュー
江國香織さんの美しい言葉と、飯野和好さんの個性的かつ強い絵の合わさった大人の絵本。 幽霊との間にできた息子との奇妙な三人関係がおもしろい
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最初に読んだのは高校の頃の現国の教科書でした! でも教科書ではあくまで抜粋なので、気になって図書館で借りて読みましたよ。 ちょっぴりファンタジーなのが、なんだか江國さんらしくないような気がします。 内容は純愛、ちょっと切ない?でもどこか優しいイメージのお話。
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淡白であるし、さらっとしていると思うのだが、時折挟まれるしっとりと艶のある寂しさが、そういった乾きに大人の湿気を帯びさせ、時に感じるほわりとした浮遊感をも沈め、しっかりと地に足をつかせてくれている気がする。それがとてもいいと思った。流れるままでいなくてはならないどうしようもない寂...
淡白であるし、さらっとしていると思うのだが、時折挟まれるしっとりと艶のある寂しさが、そういった乾きに大人の湿気を帯びさせ、時に感じるほわりとした浮遊感をも沈め、しっかりと地に足をつかせてくれている気がする。それがとてもいいと思った。流れるままでいなくてはならないどうしようもない寂しさを、または流れるままを見届けなければならない切なさを、押し殺しその扉を閉めてしまうような潔さもあった。
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江國作品では3作目。10年夏休みに読んだシリーズその2。現代文か何かで読んだシリーズその2。確か高校で宿題になっていた問題集でやった気が。 「ぼく」は7月のある日、刀を差した侍姿の男性と出会う。彼の名は草之丞。母親によると彼は正真正銘の幽霊で、自分の父親だという。そして、三人...
江國作品では3作目。10年夏休みに読んだシリーズその2。現代文か何かで読んだシリーズその2。確か高校で宿題になっていた問題集でやった気が。 「ぼく」は7月のある日、刀を差した侍姿の男性と出会う。彼の名は草之丞。母親によると彼は正真正銘の幽霊で、自分の父親だという。そして、三人一緒に生活をすることに…。ちょっと不思議な関係を素朴な絵とともにつづった絵本。 「これって絵本だったの?それを現代文の問題にするのってどうなのよ」と思ったが、同作者の『つめたいよるに』という短編集に収録されている作品に絵を付けてリメイクしたものであるそうだ。しかし、この小説が短編であったこと、それに大変短い作品であったことに驚いた。だが、この作品が児童書のコーナーではなく、切り絵・イラストのコーナーにあったのはなぜだろう?カバー袖に「大人の絵本」と書いてあるからだろうか? 絵本という形態であったせいか、問題集で見たときよりもすらすら読めたように思う(もともと文章が少ないのだが)。問題として出された文章として読んで(読まされて)いた時よりも面白かった。今度は上記の短編集のほうも読んでみたいと思う。 文章が少ない分、「一人前の男」になった主人公(つまり息子)と接する草之丞や、母親を守る役目を主人公に譲り渡した草之丞の悲しみや主人公に対する頼もしさ、誇らしさがなんとなくだが、想像しやすいような気がした。ぶっきらぼうだがなぜか愛嬌が持てる草之丞と、あじの開きを手に供養に行き幽霊相手でも深く彼を愛している母親がなんだか素敵。 でもやはり、小説は問題だから仕方な読む、というよりは読みたいから読んだほうが何倍も面白い、ということを再確認した夕方5時。
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天真爛漫! 単純。 素直。 簡単そうでいて、とても深いこと。 記憶の中に生きる、ということ。 去年からの私のテーマ、在り方、そのことが次々に降ってくる今年一月。 怖いくらいに。 其処に意味が在る、きっと。
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