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ルー=ガルー の商品レビュー

3.9

128件のお客様レビュー

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    40

  2. 4つ

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  3. 3つ

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一気に読めます

21世紀半ば、デジタル情報に支配されている近未来が舞台。連続殺人事件をきっかけに、仮想現実から飛び出した少女たちが主人公。読み始めたら止まらない面白さ!「京極節」はSFでも健在です。

yoko

2024/02/17

一番面白かったのは、近未来社会の設定。 これは一般公募したもので作ったらしい。 この作業は大変だけど楽しそうだ。 話は2人の女性の場面が交互に描かれる。 共通しているのはどちらも不潔を嫌う。と言うより、生き物の体温や臭いから切り離される生活に慣れすぎている。 ただそれは、現代の...

一番面白かったのは、近未来社会の設定。 これは一般公募したもので作ったらしい。 この作業は大変だけど楽しそうだ。 話は2人の女性の場面が交互に描かれる。 共通しているのはどちらも不潔を嫌う。と言うより、生き物の体温や臭いから切り離される生活に慣れすぎている。 ただそれは、現代の私たちの延長線上にあるとも感じられるので、それほど違和感はない。 私自身、幼少期には身近にあったそれらから離れていることに気づかされた。 初め私は、しおりに主要な少女たちの名前と特徴を書いて、途中で確認しながら読んでいた。そうしないと見失いそうだったからだ。 やがて無機質な世界だけにいた2人が、生き物を感じる機会を否応なしに持つ。 するとどうだろう、登場人物みんなが急に生き生き動きだすではないか。 別々に動いていた話も有機的に絡まり一気に収束に向かう。 いったいどんな話だったんだろう。 読み終えた直後なのに、決してつまらなかったわけでもないのに、すーっと失われていく不思議な感覚に襲われた。

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2021/09/27

う~ん。 京極堂さんに未来の話は向いていない。合わない。 自分の土俵外で力を発揮しようとしてもがいているような、そんな印象ですね。

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2020/07/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

止まらなかったー! さすがだよ!さすが京極夏彦さんだよー! 「人を殺してはいけないのは法律があるから」をはじめ、これまでの京極夏彦の小説でたびたび取り上げてきた、「自分と他人」や「自己と社会」「自然と人工、野生、生きること」…。いろいろなことについて考えさせられた。 近未来の話。学校はない。子供の人権とかプライバシとか、諸々を考えた結果、子供たちは家にいて基本的にネットワークでやり取りしたり授業をしたりする時代。週に一度のコミュニケーションの研修で顔を合わす以外は「リアルコンタクト」のない時代。少女を狙った連続殺人事件が起こる。 以下ネタバレ含む 前半は少女たちの名前や特性を捉えるのに苦労したけれど、徐々に盛り上がってきて、半分は読み止まらなくて一気読み。 インターホンを押して保護してもらおう作戦が失敗した絶望感はやばい。 少女たちが奮闘し始める姿は美しくて尊い。 ラスボスは、醜い。未来の妖怪のようだ。 結局、全て読み終えて、「人を殺してはいけないのは法律だから」「心情的な理由を挟むと殺していい人が出てきてしまう」が、みんなで巨悪をぶっつぶす際に、正当防衛として、人を殺してしまう少女たち、を責められない私、に気づかされて煩悶。

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2020/01/25

2001年に書かれた、2030年頃?の物語。 残念ながら、あと10年でこんな世界にはならないだろう。 一番良いなあと思ったのは、「教育」という概念がなくなっていること。 あと、組織の年寄りは下に回ること。 嫌なのは、食事かな‥。生物食べたいもの。 差別はないことにされているけれ...

2001年に書かれた、2030年頃?の物語。 残念ながら、あと10年でこんな世界にはならないだろう。 一番良いなあと思ったのは、「教育」という概念がなくなっていること。 あと、組織の年寄りは下に回ること。 嫌なのは、食事かな‥。生物食べたいもの。 差別はないことにされているけれど、ある。 世代的な分断は激しい。 それはなくならないのな、と思った。 大人でも男でもない少女を主人公にするのは、動物的にも社会的にも弱者だからなのかなあ。 京極さんに聞いてみたい。何か理由があるはず。

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2019/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人間が家のなかだけでほぼ暮らせるようになった近未来。人は生物を殺さず、人工的に作られた合成食品を食べて生活し、学生は週に1度、コミュニケーションを学ぶために登校する。人々は端末を肌身離さず持ち歩き、自分の位置を俯瞰する。そんななか起こる連続殺人事件に巻き込まれた少女たちの戦いが始まる。 今から15年以上前の本だが、まだもう少し先の未来のようだ。昔読んだときはそれほど面白いと思わなかったが、今回読んだら面白くて、レンガ本を一気読みしてしまった。昔読んだときは、逆に似たような設定が溢れていたからかもしれない。葉月はともかく、ネコ、アユミ、ミオのキャラクターがいい。特にミオは、天才でぶっとんでいて最強だが、一番真っ直ぐ素直で、ある意味割りきっているところが魅力的だった。ネコに名前を呼ばれて放心してしまうところも可愛い。続巻もすぐに読まなくては。登場人物が同じかは知らないが。

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2018/10/22

近未来の人間同士の交流が希薄になっている世界で少女たちが自分たちの殻を破るようなお話なんだけど…。 200ページ読んでやっと物語が動きだし、さらに100ページ読んで話が見えてきて、さらに150ページ読んで自分の感覚と物語のスピードがシンクロしてきて…。 まどろっこしいわっ! ...

近未来の人間同士の交流が希薄になっている世界で少女たちが自分たちの殻を破るようなお話なんだけど…。 200ページ読んでやっと物語が動きだし、さらに100ページ読んで話が見えてきて、さらに150ページ読んで自分の感覚と物語のスピードがシンクロしてきて…。 まどろっこしいわっ! 京極モノにありがちな展開だけれども、超絶まどろっこしいわっ!! 途中、なんとなく村上春樹ちっくな雰囲気だったし、ある意味よくある近未来少女モノだったし、これをブ厚い京極さんで読みたいとは別に思わなかったなぁ~。

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2016/11/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 21世紀。端末によるコミュニケーションが普及。直接接触コミュニケーションが極端に減少し、20世紀末から拡大していた価値観が極度に変容。社会全体が合理的になった世界。そんな社会で少女たちはとある殺人事件をきっかけにまじりあい、危険に巻き込まれていく。  とにかく、登場人物たちが魅力的に描かれている。現在の価値観とは全く異なる世界観で物語が描かれているため、いわゆる中二病とも単純に言えない、彼女達の個性的な言動が際立ち、惹きつけられる。  2000年代には、冲方丁のシュピーゲルシリーズや、深見真の「ヤングガン・カルナバル」など、戦う少年・少女達の新しい姿が描かれた傑作が上梓されているが、本作はその先駆けであったとも思う。  京極作品らしく、本が兎に角分厚い。文庫版は分冊されているのでそちらがおすすめ。

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2016/11/06

前半は読み辛くて1週間かかってしまったが、後半はスルスルっと読むことができた。 交互に視点が入れ替わってしまうのが冗長に感じてしまったけれど‥普通に面白いと思います

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2016/02/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

例によって分厚かった。そして、面白かった。 2001年の作品だけど、スマホが席巻している今の方が世界観が想像しやすくなっているように思う。良いタイミングで読めた、というべきか、作者の方の先見の明を称えるべきか。 自分は多分、橡さん寄りの、不破さんとの間の年代なのだろうけど、不破さんは感情移入しやすかった。 最後のビル攻略のところは、本当にやりたい放題になっていて、これ、書いてて楽しかったんじゃないかな、と思った。その部分はやたらマンガ・ラノベチックだった。面白かったけど。 女の子たちが、どの娘も可愛かった。 歩未・葉月のホノボノ静かな二次創作の薄い本があったら是非とも欲しいくらい可愛かった…(スイマセン)

Posted byブクログ