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バッハ=カンタータの世界(1) の商品レビュー

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2020/10/16

1990年代のバッハ研究をまとめた本。 バッハの初期教会カンタータについて、多角的なアプローチで考察する。 バッハのカンタータが好きで読んでみたが、専門家による論文集なので、当時の歴史的背景、音楽環境、慣習等の基本的な知識が無いと判りにくい文が多かった。特にあまり馴染みの無い宗教...

1990年代のバッハ研究をまとめた本。 バッハの初期教会カンタータについて、多角的なアプローチで考察する。 バッハのカンタータが好きで読んでみたが、専門家による論文集なので、当時の歴史的背景、音楽環境、慣習等の基本的な知識が無いと判りにくい文が多かった。特にあまり馴染みの無い宗教的な部分の記述は、理解するのが難しかった。バッハのカンタータは、当時の宗教の慣習に従ったもので、現代の演奏会で聴く音楽とは違うものと考えなくてはいけない。論文の中にはバッハの人間性(演奏者、宮廷や教会との関係の中で)に関する考察もあって、その部分はとても面白かった。大勢の家族を養い、転職を繰り返して自分の地位向上を図る、現代社会にも通じるとても前向きな性格が伺える。こういう本は読み手の理解レベルを求められるが、あまり興味が無い、難しい部分は読み飛ばしても良いと思う。面白そうな部分だけ読んでも、バッハ研究がどういうものかを感じられるはずだ。

Posted byブクログ