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豊島産業廃棄物不法投棄事件 の商品レビュー

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2012/01/05

50万トンを越える日本最大の有害産業廃棄物不法投棄事件に、人口1400人の豊島住民とともに立ち向かった25年間の闘いの記録。 読み進めれば進めるほど、なぜこれほど県は原因を作った処理業者である豊島観光を擁護し、また自己の責任を一貫して否認したのか疑問が高まる。 「県がなぜ、豊...

50万トンを越える日本最大の有害産業廃棄物不法投棄事件に、人口1400人の豊島住民とともに立ち向かった25年間の闘いの記録。 読み進めれば進めるほど、なぜこれほど県は原因を作った処理業者である豊島観光を擁護し、また自己の責任を一貫して否認したのか疑問が高まる。 「県がなぜ、豊島観光の指導監督を怠り、犯罪行為に積極的に加担し、これを助長したのであろうか。その理由については、公害調停が成立した今日においても、県は県民に明らかにしていない」という。 供述調書から、著者は事業者の暴力が一因であるとしているが、もっとほかに大きな要因はないのだろうか。 たとえば、県と事業者との癒着。金銭の授受などはなかったのだろうか。 地方行政は何のために行われるべきなのか。それはもちろん住民のためである。にもかかわらず、本事件の県の態度は到底納得できない。 住民の代表であるはずの県議会議員が住民運動に対して無理解であり、住民の代表であるはずの県知事は一貫して謝罪を拒否した。もはや住民の代表ではない。住民の願いを叶える行政であってほしい。 「処分地はのちに公調委が委託した専門家によって科学的に調査されたが、その際、廃棄物の堆積の各所にパイプを入れた。そのパイプの一部が今も残っているが、開口部に鼻を当てたとたん強烈な悪臭が襲い、たちまち吐き気をもよおす」(p.53)というが、ぜひ現地に行ってその悪臭を嗅いでみたい。 (2012.1.5)

Posted byブクログ