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佐久夜 の商品レビュー

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2011/10/12

珍しい中沢新一の戯曲。近松の人形浄瑠璃「日本振袖始」がベースらしいが、彼らしい特異な天孫降臨譚が織り込まれた、木花開耶姫のお話で、なかなかおもしろいストーリー展開。稲田姫の母殺しを、岩長・佐久夜の末妹十伽也姫に行わせ、佐久夜は死の世界を司らせる。「花が咲く」と「引き裂く」の同じ音...

珍しい中沢新一の戯曲。近松の人形浄瑠璃「日本振袖始」がベースらしいが、彼らしい特異な天孫降臨譚が織り込まれた、木花開耶姫のお話で、なかなかおもしろいストーリー展開。稲田姫の母殺しを、岩長・佐久夜の末妹十伽也姫に行わせ、佐久夜は死の世界を司らせる。「花が咲く」と「引き裂く」の同じ音を持ち異なる意味を持つ「サク」の言葉に注目し、佐久夜と岩長を相反する双面を一人とするあたりも興味深い。 佐久夜に言わせる台詞には、大きな意図を感じる。 読みながら、花組芝居に舞台化してほしい戯曲だと思っていたら、どうやら猿之助のための舞台戯曲だったらしい。

Posted byブクログ