翻訳とは何か の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・翻訳の秘訣、それは完成度の高い日本語で書くようにつとめることである。(108) ・翻訳は、集中し没頭しなければできない仕事である。(中略)ところが自宅は生活の場として作られていて、仕事に没頭するには適していないのが通常である。(234) ・歴史をみていくと、どの国でもどの民族でも大きく発展するときはその前に、翻訳という形で外国のすぐれた知識や技術をとりいれる動きが活発になる時期がある。(281)
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駆け出し翻訳者としては、繰り返し読みたい本です。耳に痛い内容もありますが、全般的にすごく真っ当なことを述べておられると思います。 図書館で借りて読んだものの、手元に置いておきたくなってAmazonを見たら、古本の値段がえらいことになってました。値段が落ち着くか、復刊されるまで待と...
駆け出し翻訳者としては、繰り返し読みたい本です。耳に痛い内容もありますが、全般的にすごく真っ当なことを述べておられると思います。 図書館で借りて読んだものの、手元に置いておきたくなってAmazonを見たら、古本の値段がえらいことになってました。値段が落ち着くか、復刊されるまで待とうかな。
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ほんやくWebzineで公開されている、追悼10周年の企画で初めて著者の山岡さんについて知りました。 そこから辿るように、山岡さんが手掛けられていた翻訳通信なども拝見し、とても感銘を受けたのは翻訳というものに対する山岡さんの並々ならぬ情熱でした。 本書が、出版から20年経って...
ほんやくWebzineで公開されている、追悼10周年の企画で初めて著者の山岡さんについて知りました。 そこから辿るように、山岡さんが手掛けられていた翻訳通信なども拝見し、とても感銘を受けたのは翻訳というものに対する山岡さんの並々ならぬ情熱でした。 本書が、出版から20年経っていても、今なお後進の翻訳者の方々に影響を与え続けていることは、驚きでありながらも納得させられます。 翻訳業界を取り巻く厳しい現実を認めながらも、翻訳という仕事の魅力を少しも疑わず全力を注ぐ姿勢は、仕事(もっと広義で捉えるならば、自分が信じるもの)との向き合い方を教えてくれます。
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翻訳の重要性と学者としてそれをしていく、論文を読むこととして、それに関わっていくときの対し方をそこに感じた。 通常思われている翻訳は、単なる英文和訳であり、本来的な翻訳とは、意味内容を捉えた上で、原著の内容を母語で再構築することである。それにより、翻訳には、外来語から母語への方...
翻訳の重要性と学者としてそれをしていく、論文を読むこととして、それに関わっていくときの対し方をそこに感じた。 通常思われている翻訳は、単なる英文和訳であり、本来的な翻訳とは、意味内容を捉えた上で、原著の内容を母語で再構築することである。それにより、翻訳には、外来語から母語への方向性を有し、原著者と同等、もしくは、それ以上の言語センスが無ければならない。と。 言語センスを磨かねば…
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著者は経済金融分野の翻訳に携わってきた方。翻訳に関わる歴史、技能、市場等を解説している。縁遠かった翻訳の仕事が少しだけだがイメージできるようになった。著者は、語学力さえあれば翻訳ができるという誤解、プロの翻訳者対比圧倒的に多い学習者の存在に強い問題意識を持っている。
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書名の通り翻訳者の歴史から説き起こし、翻訳の存在意義を考えさせたうえで、職業としての翻訳家の現状がどうなっているかを書いている本。本当の実力を持った翻訳家が国の発展に必要不可欠だと鼓舞する一方、現状の環境は実力を持った翻訳家を育成するようにはできていないと警鐘を発している。
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翻訳者の私には突き刺さる内容の本でした。「英文和訳」と「翻訳」の違い、翻訳の歴史の項は特に興味深く、また翻訳業界や翻訳学校の実態については大きくうなずくものばかり。自分が担当する翻訳について全責任を負う姿勢、日本語として商品価値のある文章を書く姿勢、尊敬する翻訳家の訳書と原著から...
翻訳者の私には突き刺さる内容の本でした。「英文和訳」と「翻訳」の違い、翻訳の歴史の項は特に興味深く、また翻訳業界や翻訳学校の実態については大きくうなずくものばかり。自分が担当する翻訳について全責任を負う姿勢、日本語として商品価値のある文章を書く姿勢、尊敬する翻訳家の訳書と原著から学ぶ方法など、改めてプロ意識を高めてくれる内容で、翻訳者必読の書です。
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翻訳の歴史からはじまり、翻訳業界の実態、問題点まで厳しく書いた本。語学力を生かした仕事がしたい、小説は書けないけど翻訳ならできるだろう…多くの翻訳学習者が抱いている甘い考えを容赦なく切り捨てている。 翻訳は原著を深く理解し、日本語で表現する仕事。 英語の読解力について 第一段階...
翻訳の歴史からはじまり、翻訳業界の実態、問題点まで厳しく書いた本。語学力を生かした仕事がしたい、小説は書けないけど翻訳ならできるだろう…多くの翻訳学習者が抱いている甘い考えを容赦なく切り捨てている。 翻訳は原著を深く理解し、日本語で表現する仕事。 英語の読解力について 第一段階→文法知識に基づき文章の構造を解析し、単語の意味を辞書で調べながら読む段階。学校教育で学ぶ英文和訳のレベル。 第二段階→外国語であることを意識せず、文章構造を意識しなくても自然と内容を理解できる段階。辞書がなくとも単語の意味が文章から推測できるため、辞書なしでいくらでも読み進められる。 第三段階→英文の内容を深く理解し、文章の構造や英語と日本語の違いを意識しながら、表現できる段階。 翻訳を学習する際は、最低でも第二段階まで達していなければならず、第二段階の目安として英語の本を百冊(!)程度は読んでいなければならない。 翻訳学習者のほとんどは「得意な語学を活かして〜」と言いながら第二段階に達している人はほとんどおらず、第一段階すらままならない人もいる、ということを指摘している。 半端な気持ちで翻訳者を目指すべきではないことを痛感させられる本。
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「海外文学」がどうしても好きになれなかった理由が、冒頭数ページの中に凝縮されていて、目からうろこ。 著者の、翻訳という自分の仕事に対する情熱や真摯な姿勢が、ストレートで厳しい言葉から伺える。いや、それどころか目を背けたくなるくらいきつい文章が胸に突き刺さってくる。 翻訳に関わる人...
「海外文学」がどうしても好きになれなかった理由が、冒頭数ページの中に凝縮されていて、目からうろこ。 著者の、翻訳という自分の仕事に対する情熱や真摯な姿勢が、ストレートで厳しい言葉から伺える。いや、それどころか目を背けたくなるくらいきつい文章が胸に突き刺さってくる。 翻訳に関わる人だけでなく、文筆業で食べている人にはぜひ一度読んでほしい一冊。
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今は亡き名翻訳者が、翻訳の歴史、翻訳者の生活、翻訳ビジネスなど、総括的に、多面的な観点で翻訳について語った本。 自分は翻訳を手掛けているが、きっかけは「能力があるので片手間で」程度だったか、自分の態度の甘さを思い知らされた。 英文和訳と翻訳の違い、翻訳学校の意義、翻訳学校のビジネ...
今は亡き名翻訳者が、翻訳の歴史、翻訳者の生活、翻訳ビジネスなど、総括的に、多面的な観点で翻訳について語った本。 自分は翻訳を手掛けているが、きっかけは「能力があるので片手間で」程度だったか、自分の態度の甘さを思い知らされた。 英文和訳と翻訳の違い、翻訳学校の意義、翻訳学校のビジネスについての項は特に興味深く読んだ。 心に残ったのは、 翻訳学校に通っても、一流の翻訳家に学べる確率はそう高くはない。ところが、書店に行けば、一流の翻訳家がみな、訳書という形で翻訳のノウハウを示してくれている。自分が本当に尊敬できる翻訳家を選んで訳書と原著を手に入れ、訳書を見ないで原著を翻訳していき、訳書との違いをひとつづつ確認していけばいい。この方法なら、翻訳学校で教えていない翻訳家からも、亡くなっていて学べる機会がないはずの翻訳家からも学べる。無料で添削を受けられる。一流の翻訳を真似ることができる。 そして、これを書いた名翻訳者の山岡洋一氏も、今は亡き人となってしまったのかと感慨深く思った。 全体的に厳しいことをたくさん書いており、痛烈な批判も多いが、実際に接した方によると、山岡氏はとても温厚で、日本の翻訳業界の向上に努めようとされていたそうである。今は亡き人となってしまい、本当に残念。
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