悪魔の鍋 の商品レビュー
全世界にグローバル化・効率化が広がる中で、食品も例外ではない。 今や食品は工業製品のように生産され、加工され、運ばれている。 現代の食品はどこでとれてどこで加工されたかわからないものを遠く離れた土地で食べる、というのが実態である。 それに伴って添加物や農薬、細菌などの危険が大きく...
全世界にグローバル化・効率化が広がる中で、食品も例外ではない。 今や食品は工業製品のように生産され、加工され、運ばれている。 現代の食品はどこでとれてどこで加工されたかわからないものを遠く離れた土地で食べる、というのが実態である。 それに伴って添加物や農薬、細菌などの危険が大きくなっている。 かつて生鮮食料品が豊かだった南の島に、加工食品が入り込み、 地元の栄養豊かな食品の代わりに栄養価の低い加工食品が広まって 栄養不足になるというおかしな事も起きているそうだ。 近頃、「地産地消」つまりその土地でとれたものをその土地で食べるという意味の言葉を新聞などでよく見かける。一方、「日本の農業は労働集約的で効率が悪い。国際的な分業を進め、日本は日本ならではの産業を振興し、安く生産された農産物を輸入した方が効率がいい」という意見もある。 私が私淑する野口悠紀雄も分業がよいという考え方で、これには賛成できないのだ。 表面的な数字だけを見ると分業の方がよいように見えるが、本書を読むと、わかりやすい形で現れない弊害の方がむしろ危険に思えてくる。
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