きたれ、甘き死よ の商品レビュー

ヴォルフハース(著者),福本義憲(訳者)

2020/07/05

現代ウィーン・ミステリ、と……タイトル借りでした。
読み終わって早速、バッハの「甘き死よきたれ」を聴きました。バッハ！という感じ。バッハ好きなのでよいです。
地の文がタメ口というのが文体が軽い気がしてどうも乗り切れず……でも犯人とその動機は思惑が入り乱れててふむふむとなりました。隠蔽の為に邪魔な部下の目にドライバー突き立てて、普通の生活を送れなくしてるとことか酷い。
「生き延びるとき、人は最高の音楽体験をするんだ。死ぬときではない」というのは素敵でした。

エヴァの方の甘き死よきたれは気が向いたらまた聴いてみよう。。

2014/04/21

数年前に読んだが、映画をみたらえらく印象が違ったので再読。やはり映画ほどのユーモラスなタッチではなかった。会話のはしばしに黒っぽいジョークがちりばめられてはいるが、全体には陰気な雰囲気。謎の「私」という存在が、読者に向かってストーリーを語るという変わった構造。ですます調の使い方や、会話での二人称の選び方など、翻訳の人の苦労のあとがうかがえる。
著者W.ハース自身も脚本に参加している映画は、大筋は原作を踏襲しているが、人物名や設定が細かく異なり、もっと明るい雰囲気になっているのは、映画向きにしたということなのだろうか。
ドイツ・ミステリ賞を3回も受賞した人気作家だが、これだけを翻訳で読んでも、読み続けたいという気持ちには特になれないのが残念。
私の手元にあるこの本には著者のサインが入っている。「in Tokio」とあり、2002年に来日したらしい。

2010/06/14

［　内容　］
ウィーンから新しいミステリーの風！
ドイツ・ミステリー大賞最優秀賞受賞作品。
白昼のウィーン中心街で、血液銀行社長とその恋人が狙撃された。
その背後には、「人命救助」を賭けて熾烈なライバル争いを繰り広げる２つの救急隊組織の存在が…。
ウィーンで人気のブレナー・シリーズ、日本初登場。

［　目次　］

［　ＰＯＰ　］

［　おすすめ度　］

☆☆☆☆☆☆☆　おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆　文章
☆☆☆☆☆☆☆　ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆　メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆　冒険性
☆☆☆☆☆☆☆　読後の個人的な満足度
共感度（空振り三振・一部・参った！）
読書の速度（時間がかかった・普通・一気に読んだ）

［　関連図書　］

［　参考となる書評　］

2009/10/04

現代ウィーンミステリなんて初めてみつけました。
付録にウィーン市の地図がついてたりして観光気分で読めるかも。
内容はもと警察官が救急車の運転手になって・・・。
地の文が話し言葉になっていてちょっと変わった感じがしました。
主人公も探偵役なのに集中してかんがえられず、いろんな事を散漫に考えているうちに真相に迫るという感じで、バッハの曲が背景に流れていて、バックに流して聞けば余計にノリが良いかも。