老人力 全一冊 の商品レビュー
タイトルで手に取ってしまった。 駐輪禁止の立札の前に止めるたくさんの子供連れを見て、 正直、日本に未来はないなと思っている。 老後に関しては不安しかなく、早く老衰したいとさえ思ってしまうようになった。 赤瀬川源平という名前は知っていたけど、 現代芸術なるものが好みに合わないので素...
タイトルで手に取ってしまった。 駐輪禁止の立札の前に止めるたくさんの子供連れを見て、 正直、日本に未来はないなと思っている。 老後に関しては不安しかなく、早く老衰したいとさえ思ってしまうようになった。 赤瀬川源平という名前は知っていたけど、 現代芸術なるものが好みに合わないので素通りしていた。 でも、誘いに負けてしまった。 老人力とは、人生の酸いも甘いも噛み分けた後の ゆるゆるでいいではないか、と楽しめる心境で、 まだまだ若い者には負けんぞという、年寄りの冷水的な頑張りでは ないらしい。 そういったことを、中古カメラに例えたりして、 繰り返し語っているが、途中からもう話題が尽きた感が否めないのが残念。 老人力の講演会は、ご年配の方が多かった様だけど、 読んだ感想としては、定年前の50代(ラッキーな人)、60代の方が読んでみて、 きたるべき定年後ライフを楽しみにするのが良いかも。
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赤瀬川さん、今回も救ってくれてありがとうございます。心の軽くなる一冊でした。 老人力とはいわゆるボケのことだが、彼曰くこのボケで物忘れをすることでなにか新しい情報が入りやすくなったり、変に嫌なことを覚えてなくてよかったり、また身体がちゃんと動かないことでの力が少し抜けるとか、自分のミスで予定したことに空洞ができることでその空間に余裕ができたりと、見方次第で物事を面白おかしくポジティブに捉えている。 またライカや侘び寂びも老人力の部類だとすると急に愛着の湧く存在になるからいい。 老人力を余裕を生み出す良さがあり、ときには切なくも愛おしくも感じる力でもある。 書籍の最後に関係者へのお礼を述べている中で三度の飯は妻と書いてある、あの書き方は最高。文章内では家の人などと書いているのに、さらっと入れる愛を感じるラブレターの書き方ベスト1である。 流石、路上観察記録をずっと続けていらっしゃる方である。東海道五十三次を歩いてみて、面白看板を見つけて講演会までするなんて、いい趣味だなぁ。憧れる生き方だなと思う。
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「物忘れはをするのは力だ」というところから始まった「老人力」について、様々なテーマごとに老人力にまつわるエピソードを綴る。 寡聞にして知らなかったのだが、1990年代の終わり頃に「老人力」ブームが有ったそうな。発症者は著者の赤瀬川原平、発見者が南伸坊。おう、よく読んでた人らじゃ...
「物忘れはをするのは力だ」というところから始まった「老人力」について、様々なテーマごとに老人力にまつわるエピソードを綴る。 寡聞にして知らなかったのだが、1990年代の終わり頃に「老人力」ブームが有ったそうな。発症者は著者の赤瀬川原平、発見者が南伸坊。おう、よく読んでた人らじゃないか。というのも、「トマソン」をはじめとした、路上観察学会であり、街角考現学のメンツである。両方当然読んだ。ただ、何かって言うとジョーダンに持っていきがちな南伸坊に比べ、赤瀬川原平は、弾けているか内にこもっているかの両極端で、こもるタイプは苦手だったのだな。 本作は、割と軽く綴られているし、なんでそういう方向に進むかなという部分もあるので、割と読みやすい。途中で「路上観察」らしい、一言を添えた写真が入っているのも、読みやすさに良い意味で効いている。 老人力と関係ないが、夜眠れない話などは、私小説を書く際の参考になる。長らく寝かせていたが、こういうタイミングで読んだのは良かったと思う。 でもまあ、カメラの話はちょっとやりすぎかな。コンピューター、インターネット、デジタルを、必要以上に嫌うスタイルは、あまり好きではないな。そういう世代の人なのだと言われたらそうなんだけど。 「『老人力』の言葉の乱れ」という項が、メタ視点で非常に良い。これはちくま文庫版にしか含まれないのだろうし、そこは単行本よりも絶対に良い。
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最初の1/4くらいは、すごく面白いんだけど、だんだん失速してきて、最後の方は老人力関係ない単なるエッセイになってしまった。 老人力っていう発想自体面白くて、人生で初めて老人力付けたいって思ってしまった。 老人力のエピソードとして、 分裂病の人が診察を受けてて、最初はたいそう暴れ...
最初の1/4くらいは、すごく面白いんだけど、だんだん失速してきて、最後の方は老人力関係ない単なるエッセイになってしまった。 老人力っていう発想自体面白くて、人生で初めて老人力付けたいって思ってしまった。 老人力のエピソードとして、 分裂病の人が診察を受けてて、最初はたいそう暴れたけど、話を聞いてたはずの先生が寝ちゃって、諦めて入院を決めた話が面白かった。老人力すごすぎ。
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楽しみにしていてやっと手に入って読み始めてが・・・でした。 いまいち期待していた内容とちがう・・・ そもそも老人力って自然に忘れること? 途中でやめました。
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物忘れがひどい、身体に力が入らないといった老いの問題を、「老人力」と呼んでみることで、明るく捉えなおそうとする、というと、まだちょっと本書の主張から逸れてしまうような気がします。老いを明るく捉えなおすというポジティヴさが、著者の考える「老人力」というコンセプトにちょっとそぐわない...
物忘れがひどい、身体に力が入らないといった老いの問題を、「老人力」と呼んでみることで、明るく捉えなおそうとする、というと、まだちょっと本書の主張から逸れてしまうような気がします。老いを明るく捉えなおすというポジティヴさが、著者の考える「老人力」というコンセプトにちょっとそぐわないからです。むしろ、老いによる衰えを自覚し、それをユーモアにしてしまうという心の余裕が、「老人力」というコンセプトのポイントなのかなと思います。 『老人力』と『老人力②』を一冊にまとめた文庫本ですが、『②』の方は著者にしては少し繰り言めいた文章もあるように思います。
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思わず忍び笑いしたり、その感じ分かると、激しく同意する点も多かったが、続編が落ちる。 なかなか柳の下に二匹の泥鰌はいません。 かなり流行った言葉(概念?)だけど、やっぱり無理があるのかな。今現在、通用する言葉にはなってない気がする。 そろそろ自分も老人力がつき始める年になっ...
思わず忍び笑いしたり、その感じ分かると、激しく同意する点も多かったが、続編が落ちる。 なかなか柳の下に二匹の泥鰌はいません。 かなり流行った言葉(概念?)だけど、やっぱり無理があるのかな。今現在、通用する言葉にはなってない気がする。 そろそろ自分も老人力がつき始める年になってきた。渋く老いていきたい。
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物忘れを積極的に取り上げる老人力。 「ちくま」に連載したものに、 グラフィケーション、広告批評の記事を追加したもの。 「あ」を頭につけるとよいらしい。
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大分前に流行った書ですが、天の邪鬼なので未読でした。 「老人力」と聞いて想像したのが「老獪」。少ない労力でごとりと物事を動かしてしまうような力かと思いきや、退行をそのまま「老人力」として受け入れて楽しんでいる様子がいい。 「おっしゃることは判るのですが」と固有名詞が出てこないまま...
大分前に流行った書ですが、天の邪鬼なので未読でした。 「老人力」と聞いて想像したのが「老獪」。少ない労力でごとりと物事を動かしてしまうような力かと思いきや、退行をそのまま「老人力」として受け入れて楽しんでいる様子がいい。 「おっしゃることは判るのですが」と固有名詞が出てこないまま話を進めていくのってあるある。
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何かを忘れるということはマイナスの作用でしかないのか。 自分の嫌なことがあって、その嫌なことが頭から離れないのなら、それは忘れたほうがプラスになる。 老人力は力を抜くエネルギーの事だという。 自力だと一向に自分に力がいってしまう。しかし、他力をつかうと他の人にエネルギーが循環する...
何かを忘れるということはマイナスの作用でしかないのか。 自分の嫌なことがあって、その嫌なことが頭から離れないのなら、それは忘れたほうがプラスになる。 老人力は力を抜くエネルギーの事だという。 自力だと一向に自分に力がいってしまう。しかし、他力をつかうと他の人にエネルギーが循環する。昨今では誰も信用できない世界になりつつあるから、この考え方は誰かを信用するための力なのかもしれない。 頭が固いと身体も自然と固くなる。固さは丁度よく保っていなければならないのだが、固すぎる。その調度よさをこの本はしめしてくれているのかもしれない。 頭の柔らかい、老人がゆったりとしているような文体で、その力を解明してくれる一冊。
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