柳田国男論・丸山真男論 の商品レビュー
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[ 内容 ] 体液のように流れる柳田の文体と方法にかたちをあたえ、彼のえがいた稲の人としての「日本人」の鮮明な画像と,そこに見えかくれする「山人」や「アイヌ」の影に徹底した考察を加える「柳田国男論」。 丸山の戦争体験の批判を入口に、『日本政治思想史研究』における徂徠学の評価の分析を軸にすえ、丸山政治学が幻想の「西欧」という虚構の立場を設定して初めて切り拓いた地平を検証する「丸山真男論」。 近現代の代表的な思想家を俎上にのせ、雄勁なスケールでその核心を論じる。 [ 目次 ] 柳田国男論(縦断する「白」;動機・法社会・農;旅人・巡回・遊行) 丸山真男論(序論;「日本政治思想史研究」;総論) [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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丸山真男論については未読だが、柳田国男論を読むのが目的であったため、読了の括り。機械があったら丸山真男論も読みたい。 「平地人」による島嶼への移民の方法から、シラを巡る論議、農政官僚と青年文士と民俗学の祖の三つの顔を持つように思える柳田の持つ旅の文体、そうしてアイヌと山人の前に...
丸山真男論については未読だが、柳田国男論を読むのが目的であったため、読了の括り。機械があったら丸山真男論も読みたい。 「平地人」による島嶼への移民の方法から、シラを巡る論議、農政官僚と青年文士と民俗学の祖の三つの顔を持つように思える柳田の持つ旅の文体、そうしてアイヌと山人の前に立ち尽くす柳田の姿までを辿った一冊。 晩年から段々柳田国男という人を遡っていっているような気がするのは自分だけか。 ひらがなを使う箇所が特徴的な文体。ひらがなだから平易かと言われればけしてそうではなく、むしろ恐ろしく弾力がある文体であるためきちんと理解出来ているのかと問われれば覚束ない。大凡の意味は追えていると思うのだが、突然ふと判らなくなることがある。そういうときには何度もかみしめなくてはならない。しかし、読書は時としてそういうものでもあったような気がする。 今回は柳田国男を知りたいという心からこの本を手に取ったが、この本の著者の吉本隆明についてもいつか、知りたいなあと思う。
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柳田国男を勉強しようと思って図書館の書架を巡り歩いて出会いました。普段読まないタイプの本なので、難しかったですが、面白すぎて考えがいろんな方向に及んでしまったのでなかなか読み終われませんでした。 昨年の震災で柳田国男は再発見され、何冊か本が出たのですが、それ以前に限ると柳田...
柳田国男を勉強しようと思って図書館の書架を巡り歩いて出会いました。普段読まないタイプの本なので、難しかったですが、面白すぎて考えがいろんな方向に及んでしまったのでなかなか読み終われませんでした。 昨年の震災で柳田国男は再発見され、何冊か本が出たのですが、それ以前に限ると柳田国男以外が書いた柳田国男の本というのはほとんどなかったようなので、かなり貴重なものだったと思いますし、分析がなかなか鋭い。 お陰さまで田山花袋に目覚めました。あの人の文筆家としての姿勢に太刀打ちできる人はなかなかいないと思います。 半分ぐらいしか理解できてる自信ないですが、丸山国男論もなかなか面白かったです。江戸時代の朱子学の話とか、スターリニズムの話とか。これ以上長いと読めなかったと思いますが、ボリュームがもの足りない感じもしました。
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