悪人正機 の商品レビュー
吉本隆明と糸井重里が…
吉本隆明と糸井重里が親鸞の思想について語った対談集です。
文庫OFF
(2024/03/19 2h) 装丁と中身が合ってない! 表紙を一見して殺伐な雰囲気を感じ取っていたのですが…、実際はオジサンふたりが各テーマについて和やかに語り合っているという本ですね。 糸井重里の吉本隆明アゲがしつこくて癇に障った。 印象に残っているのは「ネット社会」...
(2024/03/19 2h) 装丁と中身が合ってない! 表紙を一見して殺伐な雰囲気を感じ取っていたのですが…、実際はオジサンふたりが各テーマについて和やかに語り合っているという本ですね。 糸井重里の吉本隆明アゲがしつこくて癇に障った。 印象に残っているのは「ネット社会」と「言葉」の章。
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神保町の古本まつりで見つけて。糸井重里さんが聞き手というのに興味を持ったので。 吉本隆明さんは吉本ばななさんの父親にあたるということを読んで初めて知った。宗教家ではなく、詩人であり評論家である立場から「悪人正機」とはどういうことかを語っていた。世の中を見据えた人生の先生のような...
神保町の古本まつりで見つけて。糸井重里さんが聞き手というのに興味を持ったので。 吉本隆明さんは吉本ばななさんの父親にあたるということを読んで初めて知った。宗教家ではなく、詩人であり評論家である立場から「悪人正機」とはどういうことかを語っていた。世の中を見据えた人生の先生のような語り口で、言葉がすんなりとのどを通って行った。 「友だち」とは何かの例に親鸞を持ってきたことに糸井さんも驚いていたが、私自身も驚いている。この人はちゃんと物書きの目で宗教を見ている。 だから、「『信じること』と『科学的に明瞭なこと』をつなげたい」という吉本さんの書き残したものをもっと追っていきたいと思った。まずは『最後の親鸞』から追っていきたいと思う。 親鸞学徒であるひとが「お経なんて本当はいらないんだよ」と言う度に「今言うことじゃないだろ」と腹が立っていたが、ようやくその背景が分かった。「人間なんか助けおおせるもんじゃない」んだよね。だから修行もお経も何にもいらないんだよね。 私はそういう宗教の「深さ」をもっと知りたい。
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糸井重里の才能は、あやふやなものをなんだか判った気にさせるコピーライティング。 吉本隆明の才能は、あやふやなものを独自の思考で掘り下げ、より判り辛く?すること。 深さが全然違う。…と思わせるのが計算なら糸井重里、ご立派。 以下、引っ掛かったこと。 ○ 「素質」ってなんだ。 ち...
糸井重里の才能は、あやふやなものをなんだか判った気にさせるコピーライティング。 吉本隆明の才能は、あやふやなものを独自の思考で掘り下げ、より判り辛く?すること。 深さが全然違う。…と思わせるのが計算なら糸井重里、ご立派。 以下、引っ掛かったこと。 ○ 「素質」ってなんだ。 ちょっとでも「長所」と思うところだけを伸ばせばいい。 自分の得意なことはこれだと自己評価する。 評価が正しいか間違っているかは問題ではない。自己評価だから。 それでその自己評価、得意分野の範疇であれば何をやってもよい。 人やモノを評価するときは、その逆のことを当てはめる。 自己評価よりちょっとでも上のことをやってもろくな事にはならない。 背伸びしたところで、同じことできる奴が他にいっぱいいるのだし、 背伸びした自分を基準だと勘違いしたら本来の自分が恥ずかしくなっちゃう。 ○ 吉本隆明流「情報分析方法」 僕の場合、情報は大体新聞で間に合います。 ただ記事の内容は記者の力量によるので、あくまで情報としてデータとして使います。 情報の中にハッキリ言えること、あるって言っちゃってもいいことを探して前提にします。 そして、水素と酸素から水が出来るように、なぜそうなっているかという捉え方をします。 そしたらどこの国のどんな問題だって、だいたい当たるんじゃないかと思います。 根拠はありませんけど(笑) 例えば、NATOが内戦に介入したというニュースから考えることは、 なぜ介入したのかということ。 その理由や背景に関する情報だけを集めて整理すればこの件についてものが言えます。 例えば、フランスが核実験したというニュースからハッキリ言えることは、 フランスには原水爆禁止とか反対する人が少ないということ。 ○ 「言葉」ってなんだ 方言と異国語は地続きです。英語も方言のひとつと捉えてみては? 1999.5~2000.1「週刊プレイボーイ」連載。聞き手、糸井重里。語り部、吉本隆明。
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「泥棒して食ったっていいんだよ」 生きることの大事さに比べたら、泥棒するな、というのは人間がつくった約束事のひとつにしかすぎないわけで、重さが違う、という当たり前のことに人はなかなか気づけない。
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吉本隆明さんに糸井重里さんが質問して、糸井さんが纏めたもの。 思想家というより、物書きとして吉本さんが自分の考えを述べている本。 思っていたより、軽かった。 プライベートな吉本さん、という感じ。
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「鈍刀のほうが、実はよく切れるんだぜ」「大学に行くのは失恋の経験に似ている」なんていうような、しびれる言葉が満載です。全部が全部素直に飲み込める話ではないけれど、物事の関係性への視点に唸る一冊です。
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・仕事は自分の機能を高めることを問題とする ・上司より同期と建物が大事 ・円満な家庭はないけれど子どもが生まれて1年は我慢しろ ・十年やれば一丁前 ・情報源は新聞があれば事足りる ・綾戸智絵の声は意識的に修練して創りあげられたもの ・日本の文化を支えるのは週刊誌 ・資産家になるに...
・仕事は自分の機能を高めることを問題とする ・上司より同期と建物が大事 ・円満な家庭はないけれど子どもが生まれて1年は我慢しろ ・十年やれば一丁前 ・情報源は新聞があれば事足りる ・綾戸智絵の声は意識的に修練して創りあげられたもの ・日本の文化を支えるのは週刊誌 ・資産家になるには借金も財産だと思え 最近ほぼ日ばっかり読んでいるせいか 糸井さんに感化されてきた気がする笑 吉本さんもそれで知ってこの間講演会の本を読もうとしたんだけれど 難しくて何言ってるのかわかんなくて途中で投げてしまった… でもこれはとても読みやすい。たぶんテーマが身近だからだと思う。 生きるって、仕事って、素質って、声って。
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悪人正機という表題ではあるけど、それについて語る書ではない。ないけれど、我々を取りまくコトバの数々を手がかりとして、情況を吉本さん的に(糸井重里さんを目の前において)話し解(説)いてく姿は説教するお坊さんにも見えてくる。聞き手である糸井さんの力量もあり、吉本さん「らしさ」をも損な...
悪人正機という表題ではあるけど、それについて語る書ではない。ないけれど、我々を取りまくコトバの数々を手がかりとして、情況を吉本さん的に(糸井重里さんを目の前において)話し解(説)いてく姿は説教するお坊さんにも見えてくる。聞き手である糸井さんの力量もあり、吉本さん「らしさ」をも損なわず、とても読みやすく仕上がってた一冊です。
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-働くのがいいなんてウソだよ- 「悪人正機」とは悪人=普通の人、こそが救済の対象、という仏教の教えの中の言葉。タイトルを受けるように「ダメでいいじゃん」と思想界の巨人、吉本隆明さんがさとしてくれる。私が印象的だったのは「石の上にも3年といわず、10年だ」とか「サラリーマンが帰り...
-働くのがいいなんてウソだよ- 「悪人正機」とは悪人=普通の人、こそが救済の対象、という仏教の教えの中の言葉。タイトルを受けるように「ダメでいいじゃん」と思想界の巨人、吉本隆明さんがさとしてくれる。私が印象的だったのは「石の上にも3年といわず、10年だ」とか「サラリーマンが帰りに一杯愚痴を言い合うなんて幸せだ、いいことだ」というようなくだり。吉本隆明入門本としてもGOOD。因みに、この方、ハルノ宵子と吉本ばななのお父さんです!
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