北から見直す日本史 の商品レビュー
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2001年刊。 1979年から発掘調査が続けられてきた北海道・勝山館跡。基本的には中世・近世の城郭遺跡であるが、これとは別に北海道全域でも種々の遺跡の調査が進み、本州との関係のみならず、樺太やアムール川流域との交易・通交の実態が明らかになってきている。 すなわち、オホーツク交易圏、樺太交易圏も想定できるようになってきたのだ。 かような蝦夷史について、勝山館の在り方を軸に行われたシンポジウムを纏めたものが本書である。鉄器論と建築論が興味深い。 編者網野は元神奈川大学短期大学部教授、 同石井は東京大学名誉教授。 榎森進(蝦夷全史)は東北大学教授。 入間田宣夫(津軽海峡間交流)は東北大学東北アジア研究センター教授、 松崎水穂(勝山館と城下)は上ノ国町教育委員会主任学芸員、 小野正敏(蝦夷と畿内の比較から見える交流の跡)は国立歴史民俗博物館考古研究部助教授、 乾芳宏(中近世の余市川流域遺跡)は余市町教育委員会文化財係長兼学芸係長、 赤沼英男(蝦夷地中世鉄器)は岩手県立博物館主任専門学芸調査員、 森岡健治(沙流地方の金属文化)は平取町教育委員会文化財課埋蔵文化財係長、 工藤竹久は八戸市教育委員会文化課主幹兼学芸員。 この著者陣を見ると、考古学・文化財保護のために教育委員会が果たしている役割の大きさに思いを致さずにはいられない。地域の学芸員の皆様、頑張って欲しい。
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