切り裂き魔ゴーレム の商品レビュー
19世紀末のロンドン、ライムハウスのゴーレムと呼ばれる連続猟奇殺人鬼の話。 ゴーレムを追う警察と、大英博物館に保管されているというある男性の日記、夫殺しで死刑になった女の裁判や過去、他にも数人の登場人物の視点で描かれる。時間軸もバラバラで、話が行きつ戻りつという感じで読みにくか...
19世紀末のロンドン、ライムハウスのゴーレムと呼ばれる連続猟奇殺人鬼の話。 ゴーレムを追う警察と、大英博物館に保管されているというある男性の日記、夫殺しで死刑になった女の裁判や過去、他にも数人の登場人物の視点で描かれる。時間軸もバラバラで、話が行きつ戻りつという感じで読みにくかったけれど、終盤すべてがきれいに繋がっていき、このためだったのかと納得。 私は知らなかったけど、19世紀初めに実際に起きたラドクリフ街道殺人事件をモチーフにしているらしいし、カール・マルクスら実在の人物が登場するなど、虚と実を取り混ぜることで、ゴーレム事件も実際にあったかのように錯覚させられる。 途中文学の話やエリザベスの舞台のシーンが長々と続き、正直読むのがしんどかった。でも、ライムハウスの下町っぽい、ちょっと下品な雰囲気、その中で貧しくても逞しく生きる町の人々の様子が生き生きと描かれていて、当時の雑多な町の様子や賑わい、匂いまでもが伝わってくるようで楽しかった。
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切り裂きジャック事件の8年前に起きた連続殺人事件とその犯人「ライムハウス・ゴーレム」を追う物語。 アクロイドの著作を読むのはこれが初めてだった。 扇情的なタイトルに惹かれて手にとったものの、読後は原作タイトル("Dan Leno & the Limehouse Golem")のほうがしっくりくるなーと。 歴史・ミステリの要素が入ってる幻想文学という印象。
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「切り裂きジャック」より8年前に、イギリスを恐怖に陥れた連続殺人があった。 本書はその「イーストエンドのゴーレム」を巡る物語。 何がどうなっているのか途中までは本当にわからないし、時代背景に関してつらつら述べてある部分は退屈。 しかしクリー夫妻の真実がおぼろげながら浮かび上がってきたときには戦慄した。
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