岡田啓介回顧録 の商品レビュー
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2.26事件時の首相岡田啓介氏に対する毎日新聞記者の聞取りをまとめたものと、ロンドン軍縮条約時期の同氏の日記を併せたもの。2.26事件における岡田首相の官邸潜伏・脱出行や、戦中の東條内閣倒閣の過程は、具体的な情景が生々しく語られ興味深い。他方、天皇機関説批判キャンペーン、国体明徴運動における岡田氏の対応は、やや陸軍等にしてやられた感が否めない。また、昭和初期の政党が政策を論じるのではなく、政局で物事を論じた嫌いはあるが、軍に甘く政党に辛いのは、岡田氏も軍人であることの陥穽から逃れられなかったためだろうか。
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戦前の首相、海軍大臣の岡田啓介の戦後の回顧録。実際はどうあれ、文面からは親しみやすく、真面目ながらも愛嬌のある老政治家の姿が浮かび上がる。2・26以後の政治にも陰ながら影響力を発揮し、戦争終結に力を尽くした、もののわかる海軍大将といった印象を受けた。
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