オリンピア・プレス物語 の商品レビュー
今ではどうってことのないヘンリー・ミラーの『南回帰線』も出版 当時は問題作であった。そんな問題作の版元オベリスク・プレスを 立ち上げた父の後を受けて、ジロディアスはオリンピア・プレスを 立ち上げる。 次々と好色小説を出し、表現の問題でイギリス・アメリカで出版が 出来ない作品の英...
今ではどうってことのないヘンリー・ミラーの『南回帰線』も出版 当時は問題作であった。そんな問題作の版元オベリスク・プレスを 立ち上げた父の後を受けて、ジロディアスはオリンピア・プレスを 立ち上げる。 次々と好色小説を出し、表現の問題でイギリス・アメリカで出版が 出来ない作品の英語版をパリを拠点に出版する。 飛ぶ鳥を落とす勢いだったジロディアスも、ある作家との訴訟問題が 拗れ、オリンピア・プレスは人出に渡る。ナイトクラブやレストランの 経営に乗り出すも、負債を抱えて倒産。アメリカで再度、オリンピア・ プレスを立ち上げるが、パリ時代ほどの話題作の出版も出来ず、パリに 舞い戻る。 当時を知るスタッフや作家へのインタビュー、書簡を豊富に掲載している。 しかし、校閲の甘さは減点大である。 オリンピア・プレスとジロディアスは1950年代という時代が生んだあだ花か。 ナボコフの『ロリータ』にしろ、今読む分には過激でもなんでもないものな。 一時期、欧米の問題作と言われた小説を読み漁った時期があった。今では 絶版となった富士見ロマン文庫だったと思うが、サドの作品を探すのに、本屋 の奥まった一角で棚を眺めていたっけ。
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