国際連合という神話 の商品レビュー
はじめに連合国に「国際連合」という別名を与えて目くらましとしたことくらいは知っていたが、国連がどれほど壊れているかを認識できていなかった。さらに ・国連大学を、主要国は審議にも値しない案件と見ていたのに、日本がただ一国熱狂し、日本の横車に国際社会が根負けする形で成立したこと ・拠...
はじめに連合国に「国際連合」という別名を与えて目くらましとしたことくらいは知っていたが、国連がどれほど壊れているかを認識できていなかった。さらに ・国連大学を、主要国は審議にも値しない案件と見ていたのに、日本がただ一国熱狂し、日本の横車に国際社会が根負けする形で成立したこと ・拠出金分担率が敵国でありながら常任理事国三国を越える時に、問題提起するどころか負担が増えることを目出度いとする雰囲気であったこと も。 筆者は、連合国の枠組の中で敵国である日本こそ、次の世代の国際機関を提唱すべきと言う。理想を夢見るのではなく地道で現実的な暫定的制度をめざせと。
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ようやく国連という「美しき誤解」から目覚めさせてくれる適切な本がでた。左翼的国連礼賛よりもむしろ、常任理事国をと指をくわえている保守派こそが一読すべき書。
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▼本書はそのタイトル通りから国際連合を批判的に考察しているように思われがちだが、実際には、戦後日本と国連との関わり方を批判的に叙述していると言った方が正確。 ▼確かに、国連は第二次大戦“中”から模索され、連合国のつくった機関であり、集団安全保障を高らかに謳いながらも、現実には集団...
▼本書はそのタイトル通りから国際連合を批判的に考察しているように思われがちだが、実際には、戦後日本と国連との関わり方を批判的に叙述していると言った方が正確。 ▼確かに、国連は第二次大戦“中”から模索され、連合国のつくった機関であり、集団安全保障を高らかに謳いながらも、現実には集団的自衛権の延長線上にしかない。 ▼だからといって「多数の主権国家が一般的な政治的了解を相互に模索するフォーラム」である国連を否定するだけでは無益だ。決して世界政府にはなれないという本質的な限界はあるが、その本質を理解した上で現実(=今の国連)を理想に近づけていくこと(=改革を進めること)は有益であろう。 ▼ちなみに、本文中に「主権国家が明示に交戦権を否認することは国際法に照らして法的適合性を欠く」旨の叙述があるが、強制的にはく奪されたならともかく、持つのが自由なら、持たぬのもまた自由というものである(なお、ここではその是非には立ち入らない)。
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かつては国連の調停機能がうまく働かないのは、大国による拒否権の乱用によるものと考えられていた。 国連はいまや、多数の国民国家が並存し、しかも主権の意味が失われつつあるかのような変則的な世界に対しても、しかるべく対応せねばならない。国連が蘇生するには、外部から強烈に変化を迫るような...
かつては国連の調停機能がうまく働かないのは、大国による拒否権の乱用によるものと考えられていた。 国連はいまや、多数の国民国家が並存し、しかも主権の意味が失われつつあるかのような変則的な世界に対しても、しかるべく対応せねばならない。国連が蘇生するには、外部から強烈に変化を迫るような衝撃を加えるよりほかに方策はない。 中国語では、国連はいまだに、連合軍と書く。(中国語) 国連大学に欧米はびた一文出していない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] わが国の国連イメージは、常軌を逸した信仰のごときものになってはいないか。 国際連合は国際社会を代表していない。 恒久平和をめざしてもいない。 戦争すら禁止していない―かくも「ないないづくし」の国際機関をまるで「平和を愛する諸国民の公正と信義」を代表するかのごとく思い込むのは「筋の悪い神話」である。 わが国屈指の戦時国際法の専門家が、日本を呪縛する国際結社の「出生の秘密」に迫りつつ、歯に衣着せず書き下ろした国際連合論。 [ 目次 ] 第1章 国連成立50周年の評価 第2章 出生の秘密 第3章 国連と戦争 第4章 自衛権および敵国条項 第5章 経済社会分野の問題点 第6章 国連分担金 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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2007年10月12日 国連の問題点について、日本と国連のかかわり方についての問題点について、非常にわかりやすく書いてあった。今まで知らなかったのが恥ずかしい・・・。
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国連をその創立史から問い直す国際法の大家、色摩氏の本。国連の問題点を安全保障、敵国条約等から明らかにする。日本にとって国連は無用だと最後まで主張し、国連を廃し、「古典的外交手段の延長と組織化」の為に政策調整フォーラムを設立すべきだという。しかし、政策調整フォーラムなどという主旨の...
国連をその創立史から問い直す国際法の大家、色摩氏の本。国連の問題点を安全保障、敵国条約等から明らかにする。日本にとって国連は無用だと最後まで主張し、国連を廃し、「古典的外交手段の延長と組織化」の為に政策調整フォーラムを設立すべきだという。しかし、政策調整フォーラムなどという主旨のものであれば、設立する必要性はあるのか?古典的外交手段における政策調整とは、国際政治における二国間、多国間の外交交渉であり、それにはフォーラムは要しない。結局は明確な代替案を提示できていないと言える。
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