百人百句 の商品レビュー
「折々のうた」の著者による百人の俳人の百句撰。「百人一首」の俳句バージョンである。 自分好みの俳人、あるいは記憶に留めたい俳句に出逢えること間違いない好著。 個人的には、三橋鷹女の凛然とした作風に惹かれた。 こぼれては風拾ひ行鵆かな(かぜひろいゆくちどりかな) ...
「折々のうた」の著者による百人の俳人の百句撰。「百人一首」の俳句バージョンである。 自分好みの俳人、あるいは記憶に留めたい俳句に出逢えること間違いない好著。 個人的には、三橋鷹女の凛然とした作風に惹かれた。 こぼれては風拾ひ行鵆かな(かぜひろいゆくちどりかな) 加賀千代女 ゆきふるといひしばかりの人しづか 室生犀星 湯豆腐やいのちのはてのうすあかり 久保田万太郎 除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり 森澄雄 しんしと肺碧き(はいあをき)まで海の旅 篠原鳳作 遺品あり岩波文庫『阿部一族』 鈴木六林男 など、心に深く残った。
Posted by
この本を買ってから、10年余経過してやっと読み終えました。 寝る前や暇なのでチョッと読むには適していないし、持ち歩くには重く、読むにはやはりそれなりの覚悟を決めてから読むようにしていましたら、積読状態が長く続き10年余の年月が経過していました。 内容的にはそれなりの重厚さと新しい...
この本を買ってから、10年余経過してやっと読み終えました。 寝る前や暇なのでチョッと読むには適していないし、持ち歩くには重く、読むにはやはりそれなりの覚悟を決めてから読むようにしていましたら、積読状態が長く続き10年余の年月が経過していました。 内容的にはそれなりの重厚さと新しい発見と楽しさが同居しています。 「折々のうた」の大岡信が編んだ過去から現在までの代表的な100人の俳人とその代表句のアンソロジー。 現代は昔のように勅撰集は作られていないが、それに匹敵する作業を試みたのが「折々のうた」であり、俳句なら本著の「百人百句」がそれに当たるのではないだろうか。 この本では俳句の鑑賞と俳人への理解と合わせて、日本語の美しさ、しなやかさ、豊かさ、鋭利さを味わう事が出来る。 現代の藤原俊成・定家である大岡信にして出来た名著だと思います。
Posted by
- 1