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アイヌ文化誌ノート の商品レビュー

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2022/10/20

吉川弘文館 佐々木利和 アイヌ 文化誌ノート アイヌのモノ文化を扱った本。有名な衣文化と生活用具のほか、千島アイヌ文化を取り上げている。アイヌ文化という一つの文化というより、アイヌ言語圏内の各地域で 変容した文化の集合体のように感じた 衣文化の中では「アツトシ」と呼ばれ...

吉川弘文館 佐々木利和 アイヌ 文化誌ノート アイヌのモノ文化を扱った本。有名な衣文化と生活用具のほか、千島アイヌ文化を取り上げている。アイヌ文化という一つの文化というより、アイヌ言語圏内の各地域で 変容した文化の集合体のように感じた 衣文化の中では「アツトシ」と呼ばれる オヒョウという樹皮から糸を作り編んだ長着がいい。労働着にしては 動きにくそうに見えるが、中世貴族のマントみたい。 「アイヌの昔話」で繰り返し出てきた 小鍋 を見たかったが、この本では出てこなかった。渦巻き文様はあっても、熊やシマフクロウの彫刻や絵柄は 刀や漆器など 生活利器には見当たらなかった 千島アイヌ文化の中では、テンキ草で編み上げた バスケットがいい。デザイン的にも現代風だと思う。 このバスケット製法は 北米ネイティブアメリカン、アラスカ、ベーリング海峡を超えたチュクチ族でも見られるらしく、著者は「千島アイヌは北米の文化要素を有している」と結論づけている。ロシアでなく北米文化共通性があることに驚く 参考文献として取り上げられた 鳥居龍蔵 「千島アイヌ」は 読んでみたい 千島列島は ラッコのイメージがあるが、ラッコ皮の衣服は資料確認のみで現存確認できないらしい

Posted byブクログ

2012/11/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

隣接文化,千島アイヌ,衣服,道具に焦点をあてた文化誌。 欧米,ロシアの博物館におけるアイヌ資料について言及している。 近接しているのは、ウイルタ(オロッコ:ツングース語系)、ニヴフ(ギリヤーク:アジア諸語系)、ウリチ(ツングース語系)、オロチ,ウデヘ,ナーナイ(ゴリド)、イテリメン(カムチャダール)、コリヤーク,チュクチ。  アットウシの話題が50ページ,4分の一を占めている。  アットウシは見た目もよく,話題の中心に相応しいかもしれない。  衣食住の衣の部分だ。

Posted byブクログ