原発を止めた町 の商品レビュー

北村博司(著者)

2012/09/01

三重芦原原発３７年の長い長い人生を消耗するだけの闘い
推進側の役所も中部電力も原子力村もそのオコボレをもらう賛成住民側の人も
警察も裁判官も国民の金を御手盛りしながらの
それ自体が収入を伴った他人事の仕事として経費として認められる中で
関わっているにすぎない

反面ある意味生活のすべてを奪われようとしている阻止側の人々は
時間もお金も手弁当で運動資金を持ち出さなければならなず
利害を異にする個人の集まりに過ぎない

生活を支えている仕事とは別にいつ責め立てられるかわからない中で
気の抜けない全精力をつぎ込まざるをえない受け身の者達である

とても対等とはいえないあまりにも条件のことなる闘いを強いられ
最初から一方的なハンディーを負わされていることになる
この時点ですでに権力側からの搾取の限りを負わされているといえるだろう

住民から独占的に電気代として集めたお金と税金からの負担によって
湧き出る湯水のように惜しげも無く使いまくる物量に追い立てられる
と同時に政府の肝入で権力機構のすべてを抱き込んだ推進側は
余録ばかりで怖いもの無しである

駆け引きでしか無い権力側が作る法律がのさばり
倫理的にも常識的にも在り得ない理不尽なことが合法化という社会システムを
当然のごとくに認めている事自体を問題にするべきである
この状況は正に君主国家でしかなく
民主主義などと恥ずかしくて言えたものではない

様々に複雑な問題を持ちかける枝葉で感情的な議論をしても埒があかないどころか
問題の本質を見失いかねない
正に国家総出の侵略である
こうした行為を搾取という
少なくともこの状況を認める民主主義など在り得ない
基本的に法律は権力側のゴリ押しと安全地帯を支えるものであって
不完全な言葉を力尽くで湾曲解釈して横車を押す後ろ盾となる

第二組合を国民の金で作るように民衆を分断しようと大金をつぎ込む
その金も元を正せば国民の投資であるはずの物を横流しする
例えば住民を引きぬくための工作員を駐在させるためと
料理教室やギャラリーなど住民にサービスするためのステーション建設に
１１億６千万円を投じその後のランニングコストも膨大となるだろう
あるいは視察と称して旅行に招待したり
漁業組合に保証金と称して
一人頭３００万円となる６億５千万円をつぎ込んでみたり
更に組合に多額の預金を入れて見たりと揺さぶりをかける

何故こうまでして地元を筆頭に全国に多くの反対者がいる中で
必然性のないマイナス要さばかりの原発を強行しなければならないのか
支配層は原爆がほしい・世界を支配するためにはまず国民から・
税金を掠め取り私腹を肥やしたい・増税したい・・・・

これだけにギャップの中で４０年近くの闘争を乗り切ってきた
住民の苦労と努力に感謝しなければならない

そして闘いはまだ終わっていない

2012/06/29

NHK▽三重　芦浜原発ができなかった町▽苦悩と模索の半世紀▽豊かさとは何か。が放映されました。古和浦、私の地元です。本には私達中学生の心までは書かれていませんが、芦浜原発計画を戦った父や母たちを知るにはいい本だと思います。推進派を親に持つ私の親友はある時、泣きながらこう言いました。「ごめん、ごめん。うち中電の下請けやから、推進派や…ごめん」と。どう思いますか？思春期の少女にこんな辛い思いをさせる国。
でも今は戦ってくれた大人たちに心から感謝。