沈まぬ太陽(1) の商品レビュー
ドラマも観てるけど、本も2回目かなあ 初めのアフリカ編は、まあわかりやすい 恩地くんだけの問題なので、視点もはっきりしている しかし御巣鷹編が終わり、国見会長が中心の編になるといかんともしがたい。 次から次へと新たな登場人物が出現し 多すぎて把握できない 数章で消える人たちは...
ドラマも観てるけど、本も2回目かなあ 初めのアフリカ編は、まあわかりやすい 恩地くんだけの問題なので、視点もはっきりしている しかし御巣鷹編が終わり、国見会長が中心の編になるといかんともしがたい。 次から次へと新たな登場人物が出現し 多すぎて把握できない 数章で消える人たちは覚える必要はないが 当然その時点では判断できず。 なんとなく認識せざるを得ないので疲れる ドキュメンタリーチックなのでやむを得ない部分もあるが、物語りというより筆者の言いたいこと書きたいことで埋め尽くした文章って感じだ。 運命の人と同じ流れ その上、気持ちの良いラストもなく 利権を貪るクソみたいな人たちは、ぬくぬくするばかり。すっきりしない 私は山崎豊子の物語が読みたいのに
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1985年の日航機墜落事故を中心に、日本航空がモデルになっている小説であるということだけは知っていた。どこまでをフィクションとして、どこまで事実として読んでいいのか分からないけれども、読めば読むほどに、大事故が起こりそうな会社の体質に、腹が立ってくる。 平成生まれの人間から見る...
1985年の日航機墜落事故を中心に、日本航空がモデルになっている小説であるということだけは知っていた。どこまでをフィクションとして、どこまで事実として読んでいいのか分からないけれども、読めば読むほどに、大事故が起こりそうな会社の体質に、腹が立ってくる。 平成生まれの人間から見ると、職場の人間関係や実際の仕事の中に、まだ、戦前の名残りが大きく残っていることのリアリティが、印象的だった。共産党員に対する警戒心や「アカ」というレッテル。治安維持法で捕まり転向した転向者。学生運動をしていた経歴。第二次大戦時に戦闘機の整備をしていた整備士や、パイロット。元華族出身であることのステータス。今の人間からすると、もはやあまりぴんと来ない様々なお互いの人間の見方が新鮮だった。 そういった意味では、労働組合の委員長として、労働者たちの待遇改善のために会社の経営陣と戦い、僻地への報復人事を受ける恩地の姿も、新鮮に映るものだった。今でも、春闘など組合による団体交渉のニュースなどは、目にすることがあるが、小説ということを差し引いても、その切実性と熱量に、現代との差を感じる。まだまだ問題があるとはいえ、こういった運動をしてきた歴史のうえに、今の労働環境があるのだなと思う。 だからこそ、家族の生活と自身の健康を犠牲にしてまで、組合の委員長として働き、不当な僻地への長期赴任に耐える恩地の姿は、かっこよくもありつつ、共感はしづらい。終身雇用の時代の、一つの会社の中で生きていく時代の人間の感覚が垣間見える。 今のところ、読んでいて気持ちのいい小説じゃない。ただ何か、読まされる凄みがある。
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山崎作品を小説で読むのは初。全5巻というボリュームにビビってしまっていたが、育児の合間をぬって数日で読了してしまうほど引き込まれるストーリーだった。大企業の人事でここまでされるとは、時代錯誤なのかなんなのか。1人の人生をここまで狂わせることができて、それを自己保身のためになんとも...
山崎作品を小説で読むのは初。全5巻というボリュームにビビってしまっていたが、育児の合間をぬって数日で読了してしまうほど引き込まれるストーリーだった。大企業の人事でここまでされるとは、時代錯誤なのかなんなのか。1人の人生をここまで狂わせることができて、それを自己保身のためになんとも思わない人がいることに驚きを禁じ得ない。 主人公が組合員を想うために信念を曲げないのだとしたら、日本に残された組合員側に、信念を曲げてでも帰ってきてほしいと言ってあげてほしいわ、となるほどだった。この苦境の経験が3巻以降の展開にどう絡んでくるのかが気になる。
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2001年(発出1999年) 410ページ 『この作品は、多数の関係者を取材したもので、登場人物、各機関・組織なども事実に基き、小説的に再構築したものである。』 小説の冒頭にあるとおり、この物語は日本航空と日本航空社員・小倉寛太郎氏をモデルとした作品です。山崎豊子さんの小説は...
2001年(発出1999年) 410ページ 『この作品は、多数の関係者を取材したもので、登場人物、各機関・組織なども事実に基き、小説的に再構築したものである。』 小説の冒頭にあるとおり、この物語は日本航空と日本航空社員・小倉寛太郎氏をモデルとした作品です。山崎豊子さんの小説は初読みですが、綿密な取材によるリアリティ、スケールが大きくまた美しい自然の描写、しっかりとした人物造形、骨太な文章で、1冊目でとても好感を持ちました。 モデルとなった時代背景や登場人物も古風な趣きを感じさせますが、魅力的な人物が多かったです。 主人公の恩地、私は大好きです。確かに、立ち回りは下手くそで家族・親戚を悲しませ、怒らせているけれど、正義を貫き通したその姿勢は誰にも真似できない。もし、他の誰かが同じ目にあったら、多分その人はあっという間に精神を病んでしまうんじゃないかな。それほど今と違って情報の少ない中東・アフリカ地域は過酷だと思う。 1巻・アフリカ編は、アフリカに赴任中の恩地のサバンナでのハンティングの描写から始まり、そして、労働組合委員長だった過去への回想へ。 主人公・恩地がとても正義感が強い。そして団体交渉の描写もリアリティと迫力がある。敵役として登場する人物で、1番卑怯で許せないと思ったのは八馬、そして行天。2人とも恩地側の人間だったこともあるが、徹底的に嫌な人物として描写されている。 会社側の報復人事としてカラチ赴任。そして、僻地への任期は2年と内規で規定されているにもかかわらず、その後の10年にも及ぶ中東・アフリカでの物語が幕を開ける1巻目である。
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組合活動華やかなりし時代を知らない世代に理解はしにくいと思いつつ、企業の組合対策に恐ろしいものを感じた。 これでもかと海外を流浪する主人公には同情の気持ちばかり。
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自らの正義を貫くことは本当に難しい。事象に対し、それを正義とする人がいれば当然しない人がいる。正義を貫けば、反対勢力の抵抗・報いを受ける。恩地は家族も巻き込んで不遇にあっても自らの正義を貫いている。私にも同じことができるだろうか。この状況であれば退職一択であっただろう。恩地に退職...
自らの正義を貫くことは本当に難しい。事象に対し、それを正義とする人がいれば当然しない人がいる。正義を貫けば、反対勢力の抵抗・報いを受ける。恩地は家族も巻き込んで不遇にあっても自らの正義を貫いている。私にも同じことができるだろうか。この状況であれば退職一択であっただろう。恩地に退職する選択肢がなかったのは、終身雇用が基本である時代背景もあるだろう。正義とは何かを考えさせられながら、第二巻に入る。
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日本航空をモデルとした労使間の争い。企業に都合の悪い組合活動をするものへの懲罰・見せしめ的人事、大企業が一個人に対して倫理観を無視しここまで牙をむくのかと戦慄する。詳細は異なるとされるが実際に内規をこえ10年の海外赴任を強制された社員がモデルとなる。パキスタンのカラチ、イランのテ...
日本航空をモデルとした労使間の争い。企業に都合の悪い組合活動をするものへの懲罰・見せしめ的人事、大企業が一個人に対して倫理観を無視しここまで牙をむくのかと戦慄する。詳細は異なるとされるが実際に内規をこえ10年の海外赴任を強制された社員がモデルとなる。パキスタンのカラチ、イランのテヘラン、ケニアのナイロビ。アラブの商人は「砂漠の人」一期一会で仕事をするため誠意は皆無。 正義感が強く芯の通った主人公 恩地がひどい仕打ちを受けていくのは見ていて辛いものがあるが、へこたれずに前を向いて突き進む姿は半沢直樹を見ているようである。 御巣鷹山の事故を機に物語は新章に入る。社外から招いた会長職に会社の再建を託すもドラスティックな改革に対しあらゆる手段で抵抗する既得権益たち。正論は都合の悪いものには伝わらないし、正義はことごとく蹂躙される。法や倫理を平気で踏み外し暴利をむさぼる社会悪の存在に実在のモデルがいることが空恐ろしい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
以前、アマゾンのPrime Videoで無料で見れていたが、いつの間にか有料になっていた。 エピソード1の途中まで見ていたが、有料なので見るのをやめた。 Prime Videoの「沈まぬ太陽」は本書の内容とほぼ同じだった。 本書を読み終わって、恩地元への報復人事の酷さに、思わず「ひどいなあ」と呟いてしまった。 現在では、コンプライアンスの面から、考えられないことが昭和の時代には普通に起こっていた。 「報復人事」という言葉が普通にまかり通っていた時代に、恩地元の生き様は不器用ではあるが、信念を通す生き方に感動を覚える。 国民航空本社では、飛行機事故が起き、事故隠しを行い、果ては美談にすり替えるという操作が行われていた。 恩地は、この事を組合委員長の沢泉からの航空便で知らされた。 アフリカ篇(上巻)はカラチの劣悪な環境に耐え、2年の任期を終え、日本に帰れると思っていた恩地が、今度はテヘランへ飛ばされる、報復人事で終わる。 アフリカ篇(下巻)は報復人事による、さらなる苦難が恩地を待ち受けている。 物語とはいえ、事実を題材にした内容に、憤りを覚えつつ、下巻へ。
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恩地元の生き方に励まされる。山﨑豊子さんの緻密な取材に基づいた日航機墜落をベースに作られた作品。何度も何度も読み返す名作。日曜劇場での渡辺謙がハマり役だった。
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昭和時代では普通にこのような報復人事が行われていたんだと思うと、恐ろしさを感じました。 続きがあるので、主人公の逆転劇を期待したい。
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