宗教激突 の商品レビュー
ひろさちやさんの本は2冊目になります。 宗教に関しては、今までもいろいろ勉強しましたが、この著者の本は、文章がとてもわかりやすいと思います。 本書の「はじめに」は、9.11以降、「原理主義」という言葉が誤解されているということから始まっています。 「原理主義」は「ご都合主義」の...
ひろさちやさんの本は2冊目になります。 宗教に関しては、今までもいろいろ勉強しましたが、この著者の本は、文章がとてもわかりやすいと思います。 本書の「はじめに」は、9.11以降、「原理主義」という言葉が誤解されているということから始まっています。 「原理主義」は「ご都合主義」の反対概念であると定義されています。 宗教の原理主義、とくにイスラム教の原理主義について正しく理解することを意図している本だそうです。 初めから4分の3くらいは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教について、そして「原理主義」という言葉について書かれています。 この3つの宗教について、歴史とそれぞれの共通点、相違点がわかりやすく書かれています。 この3つの宗教は元を辿れば起源は同じであることがわかります。 近い立場だからこそ仲良くできない、というのは一理あると思います。 最後に仏教の教えで締めくくられています。 前出の3つの宗教と比較はせず、仏教の教えについて述べられています。 最終的には、「神下駄主義」という言葉を用いて、宗教の普遍性を説いて締めくくられています。 私は、AC・共依存症からの回復のために読書をしているので、著者の意図からは外れた感想になります。 この本で印象的だったのは、「愛」と「慈悲」の違いです。 「親が子どもを愛する」のは親が都合がよいからである。と言い切っている。 愛と憎しみはワンセットだから、「愛してはならない」のだと言っている。 ありのままを、まるごと愛することは「慈悲」であると言っている。 「愛」という言葉で苦しんでいる人にとっては、救われるように思います。
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