物語を生きる の商品レビュー
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この本は「物語をものがたる」「続&続々・物語をものがたる」の対談から得られた考察を河合さんがまとめた本です。なので3書を事前に読んでおくとわかりやすいです。 河合さんの考察は確かにおもしろいんですが、見かたを変えると、王朝文学を、例え話としてこじつけをした本とも言えます。 職場の上司がゴルフを人生論として語るのに似て、私はあんまりこうゆう同好人だけの解説は好きではありません。実利があまりないからです。研究や教養という点では必要な学問ではありますが、それは専門家に任せれば良いのでは? これはちょと私も言い過ぎました(実利もあります)、児童文学や王朝文学は河合さんのフルートと同様に趣味の領域とも重なるので、個人的な趣味には文句は言えません。 それに、河合さんも最初に「古典の専門家ではない」と予防線を張ってます。 まーこの予防線は、社交辞令なんでしょうが、関東では?ちょと慇懃無礼の類に入ると思います。 しかし、専門外の本も一冊一冊読み込んで理解し、国文学のプロとも対等に会話できる河合さんの超人的な頭脳に感心すべきなんでしょう。異常級です。
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初読。図書館。タイトルに惹かれて借りた。古典の王朝物語についての考察。その物語を読んでいないと、理解が追い付かないところもあった。でも「源氏物語」は読んでいたので、考察がすごく面白かった。確かに源氏の物語ではなく、女性の物語だ。「とりかへばや物語」の男女の社会的役割についての分析も、今のジェンダー論を後押しする面白さに気づかせてもらった。やはり古典は全部読まないとなあ。「物語を生きる」ということは私には本当に欠かせないことだ。
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