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伝統の創造力 の商品レビュー

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2017/09/12

戦前の日本において国粋主義者たちが「伝統」を恣意的に歪め、それに対するアレルギーからか、戦後になって伝統を拒否する態度が広く蔓延してしまいました。このような状況に対して著者は、T・S・エリオットの伝統論などを参照しながら、「伝統」を創造の主体から切り離した知識として扱うのではなく...

戦前の日本において国粋主義者たちが「伝統」を恣意的に歪め、それに対するアレルギーからか、戦後になって伝統を拒否する態度が広く蔓延してしまいました。このような状況に対して著者は、T・S・エリオットの伝統論などを参照しながら、「伝統」を創造の主体から切り離した知識として扱うのではなく、詩人や芸術家による創造的行為をうちから生み出す可能性をもったものとして捉えなおそうとする試みです。 なお、その際に著者は、詩・短歌・俳句などの短詩の世界において「伝統」が果たしている役割を具体的に考察するとともに、現代の政治の領域において語られる「伝統」観に対する批判を展開しています。 著者の主張そのものには、突飛な内容は含まれていないのですが、短詩における「伝統」は、とくに歌のような形をとる時には身体性と緊密に結びついているために、もう少しその中身について掘り下げる必要があるのではないか、と感じてしまいました。

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2014/02/03

政治の場で最近使われることの多い “伝統”という言葉。 ただ、これまでの歴史を振り返ると、 特に戦前、戦中は、 恣意的に使われていたことも多く、 一言で、イメージで、 「伝統」をまとめてしまうことの危険性を痛感しました。 この本では、詩歌、小説に焦点を絞っているけど、 それはその...

政治の場で最近使われることの多い “伝統”という言葉。 ただ、これまでの歴史を振り返ると、 特に戦前、戦中は、 恣意的に使われていたことも多く、 一言で、イメージで、 「伝統」をまとめてしまうことの危険性を痛感しました。 この本では、詩歌、小説に焦点を絞っているけど、 それはその他の分野でも同じなんだろうと思います。 一つおもしろいというか納得したのは、 伝統は古くからある変わらないものというイメージがありましたが、 実はそうではないということ。 伝統も、時流に、生きる人に合わせ、変わっていくということ。 なるほどなー。

Posted byブクログ

2011/05/21

[ 内容 ] 日本の文化が衰弱していると感じられるのはなぜか。 教育改革論議で典型的に見られる「伝統尊重」の狙いは何か。 情報化・消費化の進行を把え返しながら、詩歌・小説の歩みを思想性に着目して検証。 伝統を「大胆な自己革新を行う運動体」「新しい文化芸術を形成する源」と位置づけて...

[ 内容 ] 日本の文化が衰弱していると感じられるのはなぜか。 教育改革論議で典型的に見られる「伝統尊重」の狙いは何か。 情報化・消費化の進行を把え返しながら、詩歌・小説の歩みを思想性に着目して検証。 伝統を「大胆な自己革新を行う運動体」「新しい文化芸術を形成する源」と位置づけて、混迷する時代における芸術・社会の再生を問う。 [ 目次 ] 第1章 文学の衰弱(熱気を失った現代文学;詩のもつ位置と現在―短歌・俳句への批判と反批判 ほか) 第2章 衰弱の原因(統計から文化状況が見えるか;高度成長・技術革新―第一の理由 ほか) 第3章 日本文化の伝統とは何か(伝統論を避けた印象批評、事大主義;論じられるべき伝統 ほか) 第4章 伝統の継承(文学の危機への対応;“歌”は聴こえるか? ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2011/03/13

日本古来の伝統が失われた背景について考察を行った本。 ここでその原因として挙げられているのは金銭至上主義。 金銭を価値観の最上位におく現代の生活の中で、人間生活へどうのような影響が出てきているのか、そして、それが文化・伝統にどのように作用しているのかを記述している。

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2010/01/18

わたしは、伝統を作り上げることは大変なのだと感じられました。また、伝統を長く似作り上げるということは大変なことなのだと思いました。

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