アフガニスタンの悲劇 の商品レビュー
旧ソ連軍のアフガニスタン侵攻の時代から20年以上、 毎年アフガニスタンに渡り取材を続けて来た著者である。 日本テレビ系列のニュース番組でも、現地からのレポートを しているので、著者を目にした人も多いだろう。 そのアフガニスタンのエキスパートが、アメリカ同時多発テロ 直後からの...
旧ソ連軍のアフガニスタン侵攻の時代から20年以上、 毎年アフガニスタンに渡り取材を続けて来た著者である。 日本テレビ系列のニュース番組でも、現地からのレポートを しているので、著者を目にした人も多いだろう。 そのアフガニスタンのエキスパートが、アメリカ同時多発テロ 直後からのアフガニスタンの情勢をレポートした1冊である。 北部同盟の最高指導者マスード暗殺の背景や、タリバン勢力の分析は さすがに的を射ている。 シャーが君臨した王国であったアフガニスタンが、いかにして 近隣諸国及び大国の思惑で混乱を来して行ったかの歴史が分か りやすく記されている。 「ジハードとは、イスラム教徒一人ひとりの心の戦いなのだ。 イスラム教徒でも誘惑に駆られることはある。たとえば、 酒を飲みたいとか、たまには羽目を外してみたいとか。そんなとき、 堕落しそうになる自分を諌める心の戦いが本当の”ジハード”だという。 己との戦いなのだ。銃で撃ちあい、自爆テロで敵を倒す戦いなど、 決して聖戦と呼ばれるものではない。」 自爆テロで命を落としたマスードの言葉である。 長ったらしい副題は余計だが、◎な良書だ。
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