「台湾問題」の先にある日本の危機 の商品レビュー
以下、概要 ○台湾は、人口2,268万人でGDPが3,167億米ドル。漢民族が98%で、公用語は北京語。 でも彼らは英語話せるけどね。 中国というのは 中華民国(以下、台湾)と中華人民共和国(以下、大陸)に分かれる。 社会的には大陸本土の「台湾化」が進んできている。 台...
以下、概要 ○台湾は、人口2,268万人でGDPが3,167億米ドル。漢民族が98%で、公用語は北京語。 でも彼らは英語話せるけどね。 中国というのは 中華民国(以下、台湾)と中華人民共和国(以下、大陸)に分かれる。 社会的には大陸本土の「台湾化」が進んできている。 台湾の優秀なIT関連の若者は、華南全域に出て行っている。 つまり、彼らが引き上げてしまったら、いっぺんに中国の経済は空洞化してしまう。 今の台湾は、日本の若者文化に対して強い憧れがあり、日本語を勉強したいとい若い世代が増えてきている。 若い人だけじゃなくて台湾人は、基本的に日本人に対してものすごく好意的。 経験則だけど、台湾人は結構、中国(大陸)の人が嫌い。 ○実は、台湾が中国の統治下におかれていた歴史はほとんどない。 いや、ほとんどないというよりも、清朝は台湾島を統治下においたことがあるけれど、大陸が台湾を統治した経験は一切ない。 清朝と大陸は歴史的断絶があるので、「清朝が統治したということは大陸が統治下のと同じ」という理屈は通らない。 1885年から1895年の約10年間、劉銘伝が台湾開発を行ってきた。 台湾初めての人口調査、区画調査、インフラ整備や、郵政事業、税制も導入。 さらに鉄道も敷設した。 しかし、これで終わり。 この後すぐに日清戦争があり、台湾が戦勝国である日本に割譲されてしまった。 その割譲のあと、台湾の近代化に尽力したのが、日本。 明治期日本の官僚たちは、日本発の海外領土である台湾の開発を欧米列強に負けないように立派にやりたかったが、そのための人材がいなかった。 その人材を育てるために、1900年に台湾協会学校が作られた。これは、後の拓殖大学。 一番台湾に縁があるのは拓殖大学なんだね。初めて知った。 この統治下が終わるのは日本の第2次世界大戦の敗戦。ということで約50年間、日本は台湾の近代化を進めてきた。 台湾がここまで発展できたのは日本のおかげであるという認識がけっこう台湾の中でもある。 台湾は大陸の不可侵の領土だ、と大陸は主張するが、この主張を裏付ける歴史的事実はきわめて低いし、台湾自体が嫌がってる。 自分は日本人だと言う台湾の前総統、李登輝さんも「台湾は日本統治があって初めて国家の枠ができ、その上に台湾人の台湾に対するアイデンティティが生まれた。」ということをいっている。 ○経済発展を遂げたといわれる中国だけど、それは良い数字を並べただけに過ぎない。 優良な国有企業を「主要国有企業」として選び、その企業を3年間で黒字にするように政策を打ち出し、それが達成されただけのこと。 大陸には中小のどうしようもない国有企業というのが無数にあるので、大陸の万年赤字体質は、まったく改善されていない。 また、民の貧富の差が激しい。 特に農民は9億人以上いるといわれているが、あれだけ農薬を使って効率性を高めているかと思えば、農業生産性はきわめて低く、農作物の輸入国となっている。 これは僕の持論なんだけど、大陸の農業生産性をもっと上げて、中国を「世界の食物庫」にすればいいと本気で思っている。 農作物の生産は全然足りなくなってしまうので、将来は慢性的な食糧危機になると思う。 まぁ今の若い人がどんどん減っていっているし、その若い人たちもみんなIT系にいっちゃうからな。 ○大陸が対外経済機能をどんどん大きくしているとよく言うが、大陸の対外貿易のうち、国有企業がどのくらい占めるのかというと、まだまだ小さい。 むしろ、外資系企業が半分以上を占めているし、その中で大きなシェアを台湾企業が占めている。 また、大陸の輸出の40数パーセントを占めている広東省。この広東省の輸出のうち、7割を香港企業が担っている。 そしてその7割の香港企業のほとんどが台湾であり、日本であり東南アジアであるということ。 つまり、中国経済が大きく成長したのは、大陸が成長したというよりも、中国経済が東アジア化したというところが強い。 いわば、ハードの大陸、ソフトの台湾。
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