「幕末維新史」もう一つの読み方 の商品レビュー
幕末の激動の時代も視…
幕末の激動の時代も視点を少し変えればまったく違った歴史も見えてくる。
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20項目にわたり歴史のifを想定し、幕府再生による近代国家の可能性を模索する。自分では考えてもみなかった想定が次から次へと繰り出されるので非常に刺激的で頭の柔軟体操になるし、あらためて幕末維新を考え直すきっかけにもなる。多少史実認識に主観的な部分も散見されるが、そもそもシミュレー...
20項目にわたり歴史のifを想定し、幕府再生による近代国家の可能性を模索する。自分では考えてもみなかった想定が次から次へと繰り出されるので非常に刺激的で頭の柔軟体操になるし、あらためて幕末維新を考え直すきっかけにもなる。多少史実認識に主観的な部分も散見されるが、そもそもシミュレーション本だしあまり気にはならず、これまで硬直的に歴史を捉えていた事を痛感させられる良本である。 総じて言えば、徳川慶喜と孝明天皇が重要なキーマンであり、2人の言動の迷走によって、多くの無駄な血が流され、貴重な人材を数多く失ったのではないか?という気にさせられる。尚、著者的には維新三傑に関しては、大久保が高評価、西郷は低評価、木戸はどちらでもない評価を下している印象。 結局、薩長政権が誕生した事は良かったのか悪かったのか?公武合体が上手くいって、違う形の近代化が実現していれば、アジア太平洋戦争に突き進んで敗北する事もなかったのではないか?等々更なる歴史のifへの想像も膨らんでしまうのだが、そこまで因果を求めるのはヤリスギなのだろうか。
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