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「アメリカ」を越えたドル の商品レビュー

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2011/08/25

タイトルは割かし過激に思うのだが、内容の方は真っ当な通貨外交に関する一冊になっている。つまり、アメリカがドルに関する問題にどのように対応したのかについて、戦後から現代までを描いた通史となっていて、初めに分析枠組みらしきものが説明されていたり、終わりにグローバリゼーションの弁証法な...

タイトルは割かし過激に思うのだが、内容の方は真っ当な通貨外交に関する一冊になっている。つまり、アメリカがドルに関する問題にどのように対応したのかについて、戦後から現代までを描いた通史となっていて、初めに分析枠組みらしきものが説明されていたり、終わりにグローバリゼーションの弁証法などと大仰なものは存在したりしているが、案外中身は堅実な外交史ものである。こういったまとまった学術書は稀少であり、とは言えタイトルや大風呂敷との乖離感じられ、その意味では喜ばしくも少し残念でもあった。 国際政治経済学者ということらしいが、結局は通貨史とどう違うのか、どうにも判然としない。結局この分野は今一つ確立しきらなかった印象がある。十分面白かったが。

Posted byブクログ