医療最前線で活躍する物理 の商品レビュー
タイトルを見ると物理学の記述中心かと思ったのですが、レントゲン、CT、MRIなど医療機器ごとに簡単な仕組みを説明した本でした。 2001年発行と、日進月歩の医療・科学の世界ではかなり昔の記述ということになるのですが、基本となる理論は共通しているので、今でも十分通用する内容では...
タイトルを見ると物理学の記述中心かと思ったのですが、レントゲン、CT、MRIなど医療機器ごとに簡単な仕組みを説明した本でした。 2001年発行と、日進月歩の医療・科学の世界ではかなり昔の記述ということになるのですが、基本となる理論は共通しているので、今でも十分通用する内容ではないでしょうか。しかしその後の進歩も取り入れて改訂すればもっといいと思います。 本書の「おわりに」で、本書成立の経緯が書かれています。 平成9年の初夏に著者の遠藤先生の研究室に大澤敏彦先生が訪ねて来られたそうです。大澤先生は裳華房ポピュラー・サイエンスシリーズの編集委員をされていた方だということです。 「大澤先生は進行したガンに罹られていて、本書でも述べた重イオン線治療を受けるため放医研病院に入院されていたのである。そして、ガンの診断と治療に物理の原理を用いた装置が多数使用されているのを自ら体験され、これらの装置の原理と使い方をまとめた本をシリーズに加えることを発案された。」 残念ながら本書の完成を見ることなくお亡くなりになられたそうです。 裳華房のポピュラー・サイエンスシリーズ といえば、一般向けにも分かりやすく科学を解説したシリーズです。 講談社のブルーバックスよりも読みやすいと思います。 大学の書店や図書館でもお馴染みでした。 私は中学3年の頃からうつ状態が進行し、何とか大学に滑り込みましたが、うつ状態が悪化する一方で本を読む気力もなく背表紙を眺めているだけでした。 大学を卒業して数十年たち、ようやく精神状態も改善して本書を楽しみながら読了するまでに回復してきました。 巻末の5ページにわたる目録を眺めると、興味深いタイトルが色々並んでいます。遅まきながら大学時代に読めなかった分読み返して科学の知識をつけてみたいと思っております。本来は高校・大学時代が一番学問できる時代なのですが、私はその時代は精神状態が悪化していたので残念ながらほとんど学問できませんでした。今更いくら学問しても収入につながるわけもなく自己満足に過ぎないのですが、私の場合先天的にも後天的にも学問の星ばかり持っていて学問するしか能のない人間なのです。 ただ、ポピュラーサイエンスシリーズは最近刊行されていないようなのが残念です。 http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20180101/p1
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様々な診断機器の基本的な原理をやさしくしかし非常に専門的な視野で解説されている。筆者が開発者であるが故に、中身の濃いものになっている。
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