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犬になれなかった裁判官 の商品レビュー

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司法の裏側

裁判に関する一般向けの書物は最近多くなったが、当事者として語るものはそれほど多くなく、そういう意味では読み応えがあった。

cltom

2012/07/02

 裁判官の半生記という感じの本です。  裁判官に対する統制に反対した筆者が、仕事上で迫害されているという内容で、それでも高額な報酬を得ている点に反感もあるかも知れません。  が、よく考えるまでもなく裁判所の裁判が司法官僚の統制にあうということはとてもおそろしいことです。  ...

 裁判官の半生記という感じの本です。  裁判官に対する統制に反対した筆者が、仕事上で迫害されているという内容で、それでも高額な報酬を得ている点に反感もあるかも知れません。  が、よく考えるまでもなく裁判所の裁判が司法官僚の統制にあうということはとてもおそろしいことです。  本書の中にはさらりと「検察官が証拠を偽造した」話しがあり、以前からそれらの問題は単に裁判官が証拠排除として扱いだけで表立った問題となっておらず、またそれを表立って扱う事を裁判官が嫌がる様な描写が出てきています。  これもまた司法の問題点でしょう。  一裁判官の半生記ではありますが、その中には日本国憲法以後日本が憲法の理念をどのように実行してきたが書かれており、また今に至るまで続いている司法の問題点が凝縮されている本です。  もっとも凝縮されているために一つ一つが薄くなっている感は否めませんし、一つ一つを深く知りたいと思うほどに興味深くは書かれていないので、伝わりにくいところはあるかも知れません。  が、司法の問題点について興味がある人ならば、最初に読むにはいい本だと思います。

Posted byブクログ