もう切るわ の商品レビュー
2005.08.24. 印象的なタイトルで借りたんだけど、不倫の話というか、死んでしまう”歳さん”の周りの妻と葉の視点で、じゅんぐりに語るのね。しんどくなっていった。”死ぬこと”がテーマじゃないんだけど、なんだか、なぁ。ラストの種明かし(?)に、なる~となりました。
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占い師の男性と、その妻と、その愛人のお話。 読んでいてどきりとする場面が多々あります。 自分の迷いや弱さを振り返ってしまう、不思議な迫力があります。
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人は誰でも、いつでも悩んでいるのだと思う。つねに迷路の中にいる。絶対的な答えが与えられることは、本当の意味では、ないのだ。その迷路のさまを、静かに書き写したような小説。読んで私の中の何かが片付くわけでもないけれど、その視線がただすごい。
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長編小説 死んだ夫が残した手帳には謎の文字が残されていた。「もう切るわ」。 夫の恋人が電話で呟いた言葉か、関係を切るのか、手術の意味か、電話を切るのか? 男と女と恋人の心の迷路を軽妙に描く長編小説。(by Amazon) いつの間にか好きな作家になっていた井上さん。 少し前に...
長編小説 死んだ夫が残した手帳には謎の文字が残されていた。「もう切るわ」。 夫の恋人が電話で呟いた言葉か、関係を切るのか、手術の意味か、電話を切るのか? 男と女と恋人の心の迷路を軽妙に描く長編小説。(by Amazon) いつの間にか好きな作家になっていた井上さん。 少し前に読んだ雑誌のインタビューで、 「(自分の)小説がわかりやすいと言われると嫌だ」というようなことを語っていて、 えぇ?!と思ったわけですが。笑 んーでも読めば読むほど彼女のその発言の意味がわかる気がしてくるかフシギ。 不治の病におかされた男とその妻、そして男の愛人。 このふたりの女の目線から並行して語り進まれる物語。 正直はじめは混乱しましたが、最後に近付くにつれて一層吸い込まれるというか。 これって小説的にすごくわかりにくくて、だけど、すごくいいんじゃないかなと思いました。 そういうことも踏まえて、先述の井上さんの言葉はしっくりくる。かも。 もっと読もうっと。
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トランプ占いを仕事にしている一人の男と、その妻と愛人の物語。妻の「私」と愛人の「あたし」がほぼ交互に語る。妻にもすでに恋人がいて、夫とは離婚するつもりだ。ところが、男が末期ガンであることがわかり、余命告知を受ける。男は、余生を妻と過ごすことにした。 この三人の年齢は、計算すると...
トランプ占いを仕事にしている一人の男と、その妻と愛人の物語。妻の「私」と愛人の「あたし」がほぼ交互に語る。妻にもすでに恋人がいて、夫とは離婚するつもりだ。ところが、男が末期ガンであることがわかり、余命告知を受ける。男は、余生を妻と過ごすことにした。 この三人の年齢は、計算すると、男は52、妻は48、愛人は44歳。でも読んでいるときはもっと若い人たちなのかと思った。とくに愛人なんて20代みたい。どちらかというと愛人の語りの方が切ないような気もするが、妻の複雑な気持ちももの悲しい。夫婦の会話は淡々としていて、その中に深い何かが横たわっているというか、夫婦として心の奥底でわかり合っている何か、みたいなもの(絆とはちょっと違う)が感じられる。結局、男が本当に愛していたのは誰なのか、妻が愛していたのは誰なのか……。わたしの個人的意見は、この夫婦は愛し合っていたのだと思う。そうであって欲しい。 ところで、ホスピスで働く有藤青年が、素直すぎていらんことばかり言ってしまうのだが、これが本当に「ばか」としか言いようがない。たまにしか出てこないのに、ピンポイントで迷惑な存在になっちゃっててあきれてしまう。悪気がないから余計始末が悪い。素直さは、ときに人を傷つけるものなのだ。(2005.5.16)
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図書館にて。 こんな男は嫌いだが、うっかり好きになったら大変だと思った。 駄目な人は最後の最後までダメなんだなと思った。
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大人の恋愛が静かな流れで描かれている一冊。 一人の男がいる。 男には妻と愛人がいる。 男から離れていこうとしている妻。 男からの電話をひたすら待っている愛人。 ある日、男は不治の病におかされ、死期を宣告される。 その瞬間、三角関係が奇妙に揺らぎはじめる... ...
大人の恋愛が静かな流れで描かれている一冊。 一人の男がいる。 男には妻と愛人がいる。 男から離れていこうとしている妻。 男からの電話をひたすら待っている愛人。 ある日、男は不治の病におかされ、死期を宣告される。 その瞬間、三角関係が奇妙に揺らぎはじめる... …不倫の話なのに、一人の男性を妻と愛人とでとりあう話でもなく、男の闘病日記でもなかった。 「どうだ!」という落ちもなく、悲惨さも全く感じなかった。 修羅場にすらならない三角関係。 なぜ容認できるのだろう?諦め?私には理解できない世界だった。 男が最後に愛したのはどちらだったのか。 二人の女性が本当に愛したのは、彼だったのか、そうではなかったのか。 そして、タイトルの意味。 誰が誰を(何を)どう切ったのか。 明確な答えは示されておらず、私にはわからなかった。 それにしてもこの男は、ずるい。 妻と愛人の心を大きく揺さぶって、嘘や疑問も投げかけておいて、本音を隠したままで悪びれもせず先に逝ってしまった。 ずるい。
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一度読んでみた「潤一」がなかなか相性よかった ので、見つけたら読むことにしている井上氏。名 前から男の人だと思っていたら女の人でした。 愛人と妻それぞれの視点で交替に描かれる男の姿、 とでもいうか。明るい話書くことあるんだろうか。 よどんだ感じが好きですけどね。
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歳さんをめぐる妻と恋人。歳さんの死期が迫っている状況で「私」と「あたし」の思いが交錯していく。 しのぶさんや有藤青年など、周辺の登場人物の描写もリアル。 『潤一』より『もう切るわ』のほうが好きだった。 作成日時 2007年04月24日 05:02
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愛人と妻のそれぞれの語るような文章が良い。江國さんの小説に似た印象。歳さんはどちらの女性も愛していたのかな…?
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