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あかね空 の商品レビュー

4.3

17件のお客様レビュー

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2023/07/16

山本一力著「あかね空」 さすが芥川賞作品 「四重の五重のと重箱みたいに、ただ歳を重ねてきたわけじゃない」なんてリズム抜群の粋な口上。「風は、お愛想がわりに軒先の風鈴を鳴らして過ぎ去った」との季節感溢れる情景描写。およそ想像もつかないほど複雑で屈折した人間の本心を随所に散りばめ、最...

山本一力著「あかね空」 さすが芥川賞作品 「四重の五重のと重箱みたいに、ただ歳を重ねてきたわけじゃない」なんてリズム抜群の粋な口上。「風は、お愛想がわりに軒先の風鈴を鳴らして過ぎ去った」との季節感溢れる情景描写。およそ想像もつかないほど複雑で屈折した人間の本心を随所に散りばめ、最後のどんでん返しで読者を安心させる展開に、清々しい読後感を得ることができる。

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2022/04/25

江戸時代のお豆腐屋さんの話。朝ドラを見てるかのような展開で面白かったです。いろんな人の視線で書かれていて、人の考えというものは他人からはなかなかわからないものだなーとよくわかりました。

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2017/06/22

さすがは直木賞作品だけあって面白かったですね!しかも私の地元東京下町が舞台とあって、土地勘があって、かなり身近に感じる内容の作品でした。 登場人物設定が良く、いろいろな軋轢のあった豆腐屋親子が下町人情や義理にふれながら、なかなか通い合えなかった絆が最後には、まわりの支えもあって、...

さすがは直木賞作品だけあって面白かったですね!しかも私の地元東京下町が舞台とあって、土地勘があって、かなり身近に感じる内容の作品でした。 登場人物設定が良く、いろいろな軋轢のあった豆腐屋親子が下町人情や義理にふれながら、なかなか通い合えなかった絆が最後には、まわりの支えもあって、しっかり結び付くという感動物語でした! まさに下町の粋な話で、すっかり山本一力ワールドに、はまりましたね!これから山本一力作品を読破していきたいと思う今日この頃です。

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2016/12/21

山本一力さんの作品を初めて読みました。江戸の人情物語。時代小説が好きな人にはさっぱりと読める作品。 京で豆腐作りの修業をした若者が、独り立ちを決意し、江戸の町で店を出す。長屋の娘と所帯を持ち、家族が増え、様々な思いを抱えて成長する子供たち。

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2016/04/06

永吉の起業から死ぬまでがけっこう速い展開で書かれているのだが、自分の一生も客観的に見たらこんなんなんだよなあ、と虚無感に襲われる。 そして、この家族同士のすれ違い、身に覚えがあるなあ。本では政五郎のように父母の思いを代弁してくれる人が出てきたけど、現実にはそんなことはまずない・・...

永吉の起業から死ぬまでがけっこう速い展開で書かれているのだが、自分の一生も客観的に見たらこんなんなんだよなあ、と虚無感に襲われる。 そして、この家族同士のすれ違い、身に覚えがあるなあ。本では政五郎のように父母の思いを代弁してくれる人が出てきたけど、現実にはそんなことはまずない・・・家族って幻想なのかも。

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2015/06/04

初、山本一力さん作品です。 江戸市井に生きる人々の暮らしぶりを描いた、下町人情物語。 ただ温かく優しいだけでなく、家族ひとりひとりの言い分があったうえでの衝突や擦れ違い。 そういう切ない事象も丁寧に描かれていて、それがこの作品に深みを与えているのだと思います。 あんなに睦まじか...

初、山本一力さん作品です。 江戸市井に生きる人々の暮らしぶりを描いた、下町人情物語。 ただ温かく優しいだけでなく、家族ひとりひとりの言い分があったうえでの衝突や擦れ違い。 そういう切ない事象も丁寧に描かれていて、それがこの作品に深みを与えているのだと思います。 あんなに睦まじかった永吉とおふみの歯車がズレはじめ、子どもたちも敏感にそれを察する。家庭のなかで生まれる不協和音は、読んでいて切なくなりました。 だけれど、禍福はあざなえる縄の如し。 決していいことばかりじゃない人生だけれど、人々とのつながり、家族の絆があれば、なんとかなるのじゃないかな、という希望が感じられる結び方でした。

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2014/04/18

前に読んだことのある本だった(笑) こんなこと久しぶり… でも、何回読んでも面白いことが分かった 良いお話でした

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2013/08/16

江戸の下町に京から来た若い豆腐職人・永吉が長屋の桶屋の娘おふみと出会い、京味の豆腐屋を成功させていくという前半部分は夢があって楽しいのですが、後半、二人の間に長男・栄太郎、次男・悟郎、長女おきみの3人が生まれてからの物語はあまりにも悲しく後味が悪かったです。なぜ著者はこのような展...

江戸の下町に京から来た若い豆腐職人・永吉が長屋の桶屋の娘おふみと出会い、京味の豆腐屋を成功させていくという前半部分は夢があって楽しいのですが、後半、二人の間に長男・栄太郎、次男・悟郎、長女おきみの3人が生まれてからの物語はあまりにも悲しく後味が悪かったです。なぜ著者はこのような展開にしたのかと不思議でしたし、先を急いでいるようにも思います。 主人公の若いときから、子供たちの世代まで、長編の大河小説というべきものですが、尻つぼみの印象はあります。おふみの両親源治とおみつ、豆腐職人嘉次郎、相州屋の清兵衛とおしの夫妻、江戸屋のおかみ秀弥など、鳶の親方・政五郎など周辺の人たちが大変魅力的でした。

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2013/06/02

江戸の人情ものと思って読み始めたが、ただの人情話ではなかった。おふみが単なる「良い人」ではなく描かれており、話に深みを与えている。

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2012/05/12

「あかね色のひかりの帯が、木の葉の茂みを抜けて参道の石畳をまだらに照らしだしていた。」 京から江戸に下った豆腐職人の一家二代の愛情と葛藤。他の山本作品とはやはりレベルが違う納得の直木賞受賞作。 夫婦・親子で互いに分かり合えず、すれ違い、勘違い、それぞれが伝えられない思いを絶妙に描...

「あかね色のひかりの帯が、木の葉の茂みを抜けて参道の石畳をまだらに照らしだしていた。」 京から江戸に下った豆腐職人の一家二代の愛情と葛藤。他の山本作品とはやはりレベルが違う納得の直木賞受賞作。 夫婦・親子で互いに分かり合えず、すれ違い、勘違い、それぞれが伝えられない思いを絶妙に描いている。 「江戸という時代と、深川という場所を丸ごと書いてやろうという熱気がある」」(井上ひさし)と書いているが、最近の作品から遡って読んだ感じとしては、山本作品が、常に江戸・深川に特化し、家族の絆・人情を描くこだわりが、ある意味作家として横着にも思えたが、作者自身の経験からきているものだと分かって腹に落ちた。作者自身が深川に住み「実母の突然の死、周囲の人情、三度目の結婚、事業の失敗による多額の借金を経て、家族の力を得て小説を描きだした」ことを、タイムスリップさせて描いているため文章に力があるということか。 この後の作品もシングルヒットではあるが、これほどの深さ、感動、渾身さがないのは少し寂しい。 尚、「あかね空」では江戸屋の3代目女将が70前後まで生きているが、江戸屋の女将二代を描いた「梅咲きぬ」では52で亡くなっているのは愛嬌か。

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