視えずの魚 の商品レビュー
写楽の謎から賭麻雀、…
写楽の謎から賭麻雀、ヤクザの作法、水商売の値段のつけ方、競馬のテラ銭、なんでもありのストーリー。
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「渡る世間は鬼ばかり…
「渡る世間は鬼ばかり」のサルティンバンコ的解釈、とでも言えば良いでしょうか。不思議な雰囲気です。
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大店を構える旦那衆の趣味を、金の掛かる順番で表すとヤクザ>相撲>役者>骨董>女となるらしい。ヤクザに金を貸し返してくれないというのは誤解である。ヤクザの芸を見ておきながらご祝儀を払っていないだけなのだ。何の世界でも芸を視たら金を払うのは当然である(P13参照) この小説に顔...
大店を構える旦那衆の趣味を、金の掛かる順番で表すとヤクザ>相撲>役者>骨董>女となるらしい。ヤクザに金を貸し返してくれないというのは誤解である。ヤクザの芸を見ておきながらご祝儀を払っていないだけなのだ。何の世界でも芸を視たら金を払うのは当然である(P13参照) この小説に顔に傷のある明石散人が登場するが、平行して読んでいたレイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』に顔に傷のあるテリー・レノックスが登場してビックリする。何かはわからないがシンクロした・・・たまーにこんなことがある。
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『東洲斎写楽はもういない』はとても面白かった。 この『視えずの魚』も写楽がらみのミステリー小説だ。 でも出来の良し悪しには雲泥の差がある。 内容的には写楽の第一期、いわゆる大首絵の傑作肉筆画28点が見つかり、それの真贋と経緯について追求するミステリー。 この部...
『東洲斎写楽はもういない』はとても面白かった。 この『視えずの魚』も写楽がらみのミステリー小説だ。 でも出来の良し悪しには雲泥の差がある。 内容的には写楽の第一期、いわゆる大首絵の傑作肉筆画28点が見つかり、それの真贋と経緯について追求するミステリー。 この部分は、そこそこ面白い。文庫本の裏表紙には「ここに書かれていることは、すべて、本当のこと」と書かれている。でも写楽の肉筆画28点が発見されたなんてニュースは聞いたことがないからフィクションだと思う。 人物の描き方も雑だ。この作家は蘊蓄をひけらかすところが鼻につくところもあるが、そこが面白いで、エッセイなどには向いていると思う。でも正直言って、小説になるとひどい。 この本を読むなら『東洲斎写楽はもういない』を読んだ方がいいと思う。
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