ザ・ラスト・ウォー の商品レビュー

落合信彦(著者)

2015/11/21

中国、アメリカ、そして日本を軸に描いたパワーゲーム小説。

なんと、楽しませてくれる物語か。リアルで、現在の日本の体制に危機感を抱かせてくれる。本当に息つく暇もなく読みきってしまった。

愚かで古い思想の老人たちに、謀略を潰される場面はとても腹立ち、それと同時に落胆させられる。何もしなければ平和を維持できると思っている。

隙あらば狙われるのは当たり前。力を示し、舐められないことが最大の抑止力。それだけ平和は尊いものなのだと感じた。

2014/06/09

　どの本も共通して、日本の自衛隊の力を称賛しているので、きっとすごいんだなと思った。日本は何だかよくわからないけどとにかくいろいろな国と仲良くしようとするけど、今のところ他国民からの肯定感は低下し続けているわけだし、損得抜きのそういう友達みたいなのはやめた方がいい気がする。日本国民は他国民からの意見を気にし過ぎる傾向にあるし、そもそも鎖国とかしてたし外交に関してはわりと不利なイメージがある。国際的な発展に関して、ネガティヴな印象しかない。

　国家というものがどれだけ政治家に左右されるのかがよくわかったし、他国に従属し安息している時点でその他国には見放されるんだというのもわかった。近隣諸国の間で日本が嫌われているのは、歴史的背景からしても経済面の顕著な発展・衰退にしても仕方ないことなので、もう利益だけを考えて行動すればいい。国民はあらゆることを知らず、マスコミのわざとらしく長ったらしい一見しただけでは全く意味のわからない政治的用語でしか政治を知らない。虚偽と秘密のフィルタを通してでは真実はわからないし、国民は何も理解しないままただ日本が衰退していくのをこのまま黙って見ているほか無くなる。国に首を絞められている感じがする。

　とにかく友好とは他国からすれば日本の利益を奪い、日本で言う「友好」とは全くニュアンスの異なったものなんだとわかった。一概に政治家がこうと言えるわけではないけれど、国民が政治に関心を持てない状況を作っているのもまた政治家なのかもしれない。ただ、情報操作とは時には重要であるということもわかった。寧ろ、マスコミなどで伝えられる現在の日本の状態がすべて真実だとしたら、もうすぐ壊滅してしまうのではないかと思う。

　対中・対米に関して、日本の事なかれ精神の作り上げてきた歴史が現在の危機的状況を生み出している。果たすところ国民は迫られている。選択の権利が国民にあるかと言えば、確かに原発に関する意見も無意識的な情報操作によって掻き消されてしまった。国民がその無意識的な情報操作にどこまで攪乱されず、一致団結して意見を貫くかにかかっていると思う。

　移民に対し反対意見が多いのも、移民を受け入れることで失敗している国があることも去ることながら、やはり国民たる純粋さ、純血を求めているからで、潜在的には国粋主義なんだと思う。日本がすきだから革新しようとする人はいると思うけれど、それは日本そのものを否定しているわけではなくて、日本の現在の低姿勢で、他の国に利用され続け、外聞を気にするところをどうにかしたいと思っているんだと思う。
　そういう意味でみんな日本がすきな筈で、なのに政治に関しては諦観の節がある。

　いつこの本のようになるかわからないのだから、国民は諦めるのではなくて、大衆に埋もれるのでもなく、個人の意見を持ち、情報をあらゆる角度から見て、無能な政治家を選ばず、本当に国のことを考えてくれる政治家を選ぶべきだと思う。少なくとも、２０代の人が半分も政治に参加していない今のような日本は本当に格好悪いと思う。

　それに外国からの意見を気にし過ぎるのも、国民性といえば聞こえがいいかもしれないけれど、即ち他人の意見に流されやすく、だから大衆社会と呼ばれてしまう。サブカルチャーがメインカルチャーになってしまおうと、個性的であることが流行になってしまってもいいから、うちが選挙権を持つ世代は、みんなが日本を変えていくことが格好いいって思えるようになりたい。

2011/12/30

大国間の水面下の情報戦がとてつもないです。

自国の利益を守るために戦略的に動く。そこには仁義もへったくれもありません。

わが国日本はそんな中で大丈夫なんでしょうか。。