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アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮 の商品レビュー

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2012/03/11

綿密な文献学的調査に裏打ちされ、卓越した構成力で記され描かれたアビ・ヴァールブルクの評伝。初期のルネサンス研究から、病んだ精神からの快復を喧伝する企図で成された蛇儀礼講演、歩行するニンフへ像への思慕、そして晩年の様々なイメージを同一平面上に配した図像アトラス「ムネモシュネ」へ。ヴ...

綿密な文献学的調査に裏打ちされ、卓越した構成力で記され描かれたアビ・ヴァールブルクの評伝。初期のルネサンス研究から、病んだ精神からの快復を喧伝する企図で成された蛇儀礼講演、歩行するニンフへ像への思慕、そして晩年の様々なイメージを同一平面上に配した図像アトラス「ムネモシュネ」へ。ヴァールブルクの辿ったイメージの精神史を、それと抜き差しならぬ関係にあった狂気とともに丹念に析出する。 そくそくとヴァールブルクの身にせまる古代への憧憬。古代ギリシャへの神々が跋扈する異教的でそれゆえに蠱惑的なイメージと、往時の芸術作品が偲ばせる静謐で美しいイメージ。これらは単なる二項対立ではなくその両極が絶え間なく反転しつつ共存するファンタスムの中に存する。論理と魔術の、情念と定型の、転義と隠喩の振幅のうちにヴァールブルクは「一本の幹に接ぎ木されて花開く」。

Posted byブクログ

2009/10/04

★内容もえらいこと面白いんだが、編集がまた秀逸。今まで読まずに損した(4年前にあることで競った本だから知ってたんだけど ^^;)。  仕事そっちのけで読んだ。

Posted byブクログ